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2016年1月

2016/01/31

毎日新聞調査 内閣支持率51% 甘利氏問題は影響せず

 こちらは毎日新聞。うーん。

毎日新聞調査 内閣支持率51% 甘利氏問題は影響せず(毎日新聞)

 毎日新聞は30、31両日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は51%で、昨年12月の前回調査から8ポイント上昇した。支持率が5割を超えたのは2014年3月調査以来。不支持率は30%と前回より7ポイント低下した。甘利明前経済再生担当相が28日、自身と秘書の金銭問題で辞任したのを受け、甘利氏を閣僚に任命した安倍晋三首相の責任を尋ねたところ、「任命責任は重くない」との回答が46%、「任命責任は重い」が42%でほぼ同水準だった。甘利氏の問題は支持率に影響せず、安全保障関連法への世論の批判が薄れたことや、外交面での実績などがむしろ数字を押し上げたとみられる。

 結構厳しいねえ。参院選の結果、改憲勢力が3分の2以上の議席を占めることを「期待しない」との回答は46%で、「期待する」の40%をやや上回った。これはそう。大事。しかし、参院での改憲勢力「3分の2以上」を「期待しない」層でも自民に投票するが19%で最も多く、民主は15%、共産は13%。「期待しない」層が投票先として必ずしも野党を想定していない現状が。もっと、ここにとどく訴えか!

ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫る ニッポンの子育て~

 うーん。興味深いこともたくさんあったけれども。

Img_01_4 女性が子を産み、母になる。その時、母親たちの脳や体に、驚くような変化が次々と 起こることが、最新科学から明らかになってきました。人類進化の過程で、育児を成 し遂げるための特別な能力が、お母さんたちに備わってきたのです。ところが、ニッ ポンのお母さんたちは今、子育てに深刻な悩みや不安を抱え、悲痛な叫び声をあげて います。助け合いたい夫に対しても、出産後はなぜかイライラが止まらず、離婚の危 機も。母親たちが結びつきを求める「ママ友」は、日本特有の社会現象として世界か らも注目されています。なぜ母親たちは、これほど育児に苦しめられているのでしょ うか?原因を最新科学で探ると、意外にも、人類700万年の進化にまでさかのぼ る、子育ての知られざる真実が見えてきました。これは、育児世代だけでなく、母親 から生まれ育てられた全ての人たちの知的好奇心を揺さぶる、科学エンターテイメン トです。

 脳のメカニズムは興味深いわけだけど。母親によりそう、そのことを徴収化するのは必要だけど。孤立する現状に対する問題提起としては、それはそれで大事だろうけど。だけどね、なぜ、そのことを生み出す現実を捨象しながら論じるのだろうか? はたして、社会の側を捨象して、脳の問題だけに焦点をあわせることで、助けになるのかなあ。ボクが所属していた大学の学部の研究。うーん。どう言えばいいのかなあ。

強制連行を国連で否定へ 政府、来月初報告へ

 これは、かなり驚くこと。いったいどういうつもりなのだろうか?

強制連行を国連で否定へ 政府、来月初報告へ(産経新聞)

 政府は2月15日からジュネーブで開かれる国連女子差別撤廃委員会の第63回会合で、慰安婦問題について「日本政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる『強制連行』は確認できなかった」と報告する。同委員会が政府から提出された報告書を30日までにホームページで公表した。同委員会で政府が慰安婦の強制連行説を否定するのは初めて。慰安婦問題について誤った認識の拡散に利用された国連で、正しい情報を発信しようとする政府の取り組みといえる。
 政府の報告は、委員会から昨年8月に出された質問への回答。回答は冒頭、昨年末に「日韓両政府は慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」と説明した。
 その上で、日本政府は「1990年代初頭以降、慰安婦問題が日韓間における政治問題として取り上げられた際、事実関係に関する本格的な調査を行った」として、関係省庁の関連文書、米国国立公文書館での文献、関係者への聞き取り調査などを行ったが、強制連行は「確認できなかった」と説明した。…

 少なくともこれまでの政府の見解では、狭義のという勝手ない言い方でも、強制連行が確認できなかったと言っているのは、半島だけのこと。大陸や東南アジアでは、いまある資料でも大量に事実は確認されているし、日本の裁判所も認定していることだけど…。なら、国連に行って、韓国ではなかったんだということを強調するのだろうか?(もちろん、ボクはそのことに同意するつもりはない)
 少なくとも、ほとんど何を主張したいのかわからない。そういう行為をどんどんやろうとしているようにも思える。日本政府は、すでに外務省もおかしくなって、どんどん深刻な状態に陥っているようにもみえるなあ。

甘利氏「辞任当然」67% 憲法改正に反対半数、世論調査

 ほんとに世論調査は、いろいろな顔をしていていろいろ考えさせられる。

甘利氏「辞任当然」67% 憲法改正に反対半数、世論調査(共同通信)

 共同通信社が30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、金銭授受問題をめぐる甘利明前経済再生担当相の「辞任は当然だ」との回答は67・3%だった。「辞任する必要はなかった」は28・5%。夏の参院選後に憲法改正を進めることに反対は50・3%、賛成は37・5%。
 安倍内閣の支持率は53・7%で、昨年12月の前回調査から4・3ポイント増えた。不支持率は35・3%だった。
 甘利氏を閣僚に任命した安倍晋三首相の任命責任は「ある」46・8%、「ない」50・1%。甘利氏は衆院議員を「辞職するべきだ」は39・7%、「辞職する必要はない」は55・5%だった。

 。夏の参院選後に憲法改正を進めることに反対は50・3%、賛成は37・5%。これがいちばん注目だな。

それでもなぜ戦場に行くのですか

5 昨日の番組。ボクも仕事で、アフガンや中東、福島の取材を彼らにすっかりたよってきたから。こういう番組は胸をうつ。綿井さんにもお世話になった。うーん。戦争のことを伝える。戦争を経験して、戦争の残酷さを経験した国だからこそ、そのことは幾重にも大切という思いは強いし。その大事さを痛感させられる。そのことについてのジャーナリストたちの思いも。
 だけど、番組は、いまある戦争がどういう戦争かということについては、一般的なこと以上には踏み込まなかったなあ。うーん、それも気になるところだなあ。どうなんだろうか?


2016/01/27

家族幻想: 「ひきこもり」から問う

Photo_2 杉山春さんの新著は、ものすごく刺激的で、衝撃的。同じような体験を持つ人にとっては、かなりのダメージ。ボクも読んでいて、とても苦しかった。
 もちろん、ひきこもりの背景というのは、多様だ。そんなことは、多分著者は百も承知。だけど、大きな要因に社会的な視線、規範と言われるものにそった視線があることは間違いない。そして、それは家族というものによって、屈折し、肥大化する…。個人が孤立化し、家族がほんとうに、むき出しに大きな社会のなかにおかれるという現代においては、その肥大化はいっそう大きくなる。だから家族という視点から問題をとりあげる。ボクだってそうだ。ずっと、子どもの頃から、他者の評価にこだわってきたし、それは親の期待以外なにものでもなかった。不仲な良心、母による父への避難と、子どもへの期待……。そうしたことによって生まれた家族によって、屈折した、規範意識から、ボクもずっと自由にはなれなかった。18歳で家を飛び出したのもそのことが大きいだろうし、それでボクは、ある程度、自由になれたということも。だけど、それで解決したわけではないのだった。そして、子育てをするなかで、いろいろなことに直面し、それがまた自分を追い込むことなる。
 この本そのものは、40代を超える年齢になってきた、ひきこもりの当事者からの聞き取り、そして、その親からの聞き取りを軸にかかれている。その生きづらさ、規範へのからめとられ方が凄まじい。そして、著者自身の自分語り。著者が自分を語ることで、いっそう、その当事者たちの思いや苦悩が、とてもリアルで、そして、身近にある問題であることがわかる。
 苦悩は、どのように乗り越えられるのか? 家族というものが、ほんとうに一時に形成され、いつか消えていく、そういうものとして、相対化し、そこから身軽になれればどれだけ楽なことか。たぶん、かつての家族から逃げている自分を、それでいいんだと言えることができればどれだけ楽なことか……。
 それでも、社会は、個人を家族に囲い込む。政治は、家族に責任をおしつける。その流れがなかで、どのように家族から解き放たれ、社会につながっていけるのか? 居場所の取り組みは、そのヒントであり、希望ではあるのだろうけれどもなあ。


安倍内閣支持率48.5%、12月より0.7ポイント上昇 FNN世論調査

 うーん。これもまた、いろいろ考えさえられる。

安倍内閣支持率48.5%、12月より0.7ポイント上昇 FNN世論調査(FNN)

 FNNがこの週末に行った世論調査で、安倍内閣の支持率は48.5%で、12月より0.7ポイント上昇した。また、不正献金疑惑が持ち上がっている甘利経済再生担当相の対応については、7割以上の人が「納得できない」と答えた。
調査は、1月23日と24日に、電話調査(RDD)で行われ、全国の有権者1,000人が回答した。
 今回の調査で、安倍内閣を支持する人は48.5%で、12月より0.7ポイント増えた。
 一方、支持しない人は40.1%で、1.1ポイント減った。
 不正献金疑惑が浮上し、自らの現金授受について、今週中に説明する考えを示した甘利経済再生担当相のこれまでの対応について、「納得できない」と答えた人が7割を超え(71.6%)、「納得できる」とした人(21.6%)を大きく上回った。
 いわゆる「従軍慰安婦」問題で12月、日韓両政府が解決に向けて合意したことを評価する人は、ほぼ6割に達したが(59.7%)、一方で、今後も日本と韓国との間で懸案になると思うと答えた人は、8割を超えた(81.2%)。
24日の宜野湾市長選挙など、沖縄県内の選挙結果が、アメリカ軍・普天間基地の移設に影響すると思う人は、7割を超えた(72.0%)。
 男性の国会議員が育児休暇を取ることについて聞いたところ、賛成が半数を超え(53.8%)、4割台の反対(40.1%)を上回った。
 木村拓哉さんが「空中分解になりかねない状況」だったと説明した、人気グループ「SMAP」が存続を表明したことについて、評価すると答えた人は63.4%と、6割を超え、評価しないの20.3%を大きく上回った。

 これがその調査結果。

 なるほど、これは注目というのと、うーん、これはよく考えなとっていうのと、あいまざっている感じ。大事なことが多いなあ。

2016/01/24

臨床犯罪学者 火村英生の推理

20160107233552 なかなかおもしろい(苦笑)。有栖川有栖って、懐かしい。昔はちょこちょこ読んでいた。本格推理の時代。典型的な探偵もの。それだけで、ちょっと、おもしろそう。つくりは軽く、軽快で。


新福祉国家構想と「無償教育の漸進的導入」

12573064_1011715725555839_6501258_2 今日も昨日にひきつづき、午前中は無償化科研。後藤さんの表題の講演。高校や大学生の子どもをもつ勤労世帯の所得などの分析からはじまる。そこには何よりも、雇用の不安定化と収入の低下化ある。それにとどまらず、公租公課が増大している。そのうえに高学費はまともに家計を直撃する。うーん、たしかに。
 しかし、日本の社会保障の制度は、そういう貧困に対しては、基本、生活保護しかない。では、捕捉率が20%前後しかない生活保護を利用していない世帯には、まともな支援策がないということ。そういう政策的な問題がある。
 貧困が進む中あらわになる、日本の賃金依存度の高い構造、社会保障の構造が浮き彫りになるなかで、ではどのようにそれを充実させるのかの原則などが提示される。

 やっぱり年に何度かは後藤さんの話を聞かないとねえ。あたまが整理されるのです。


2016/01/23

韓国の「国家奨学金制度(給付型・所得連動返還型)」 から学ぶ

12507287_1011293778931367_676646088 今日は、午後から大学評価学会の無償化科研の表題のシンポジウムに。「日本と同様に「東アジア型の家族負担主義」(小林雅之 2012)に類型化される韓国では、大学納付金の減額化が政治的争点となり、2008 年から給付型の国家奨学金が設けられている。その後も、支援の対象や内容(所得連動返還制度を含む)を拡充しつつあり、その経緯や仕組みの詳細を学ぶとともに、現状と課題を明らかにする。日本への示唆も多いと期待される」というテーマ。韓国教育開発院(KEDI)研究員 Kim Hoonho 氏の 「韓国の国家奨学金制度(給付型・所得連動返還型)――創設意図と仕組み」
と大学教育研究所(HEI)研究員 Yi Suyeon 氏の 「韓国の国家奨学金制度(給付型・所得連動返還型)――現状と課題」 。
 数年前、韓国で学費(登録料)半額を掲げた運動が大きくひろがり、ソウル革新市政が生まれ、そして、半減へのとりくみがはじまった、ここまでが、ボクは知っていたが、その後どうなったのかということを教えてくれる内容だった。イミョンバク政権、そしてパクウネ政権のもとで、高等教育の予算はほぼ倍になっている。しかし、学費半減にはむかわず、奨学金の拡充に向かった。それでも、相当規模で給付制の奨学金は拡充され、事実上、学費半減にあたる奨学金を得ている学生は相当数にのぼるということ。日本と韓国との差は大きい。
 
 だけど、すすめ方にはいろいろな問題がうきぼりになる。所得による制限と格差、成績による選別をつける競争的な設計。そして、大学のよる奨学金制度は、大学改革と連動させる。その弊害が大きい。うーん。そうなんだよなあ。

 そしてなによりも、学費そのものに手をつけないもとでは、学費値上げへの圧力が必ずおこりうる。学費を下げる、思想と法的制度がどうしても必要であることも教えている感じがした、そういうシンポジウムだった。

 なかなか刺激的で、おもしろかったし、なによりも勉強になったのだ。

シリーズ東日本大震災 原発事故5年 ゼロからの“町再建” ~福島 楢葉町の苦闘~

 町長も言っていたけど、はっきり言って、ゼロからの出発ではなく、マイナスからの出発だ。それほど、損害を受けている。そこが甘いんだけど。

Img_01_1 東京電力福島第一原発事故による避難指示が、去年9月に解除された福島県楢葉町。全住民が避難した7つの自治体の中で、初めて住民帰還に踏み出した。しかしこれまでに町に戻った住民は全人口のわずか5%。その9割を50代以上の中高年が占める。商店、仕事場、医療・福祉機関、小中学校など様々な町の機能は失われたままだ。
 自治体としての存続に危機感を抱く楢葉町は、事業者への帰還働きかけや新規の誘致、福祉サービスのゼロからの再建などに取り組み、住民が戻りやすい町を取り戻そうと奔走している。しかしその前には、一つの自治体だけでは解決しきれない様々な壁が立ちはだかる。
 何年もの間、無人の町となり、すべての機能が停止してきた原発周辺の町は再生できるのか。その試金石とも見られている楢葉町の復興。避難解除からの4か月間を見つめる。

 そうした損害とは何か。そのことは考えさせられる。そこにあった生活がどのような壊されたのか。そのことが、復興・再生の足かせになっている。そこを直視しないとなあ。産業の招へいなど、さまざまな奮闘がある。だけど、工場団地などを造成し、企業に補助金を出す政府の復興のやり方は、そこを直視しないから、なかなかうまくいかないのだろうなって感じた。そこにある人がどのように生活してきたのか、その生活を取り戻すために何が必要なのか、そこをみないと、福祉や暮らしの問題も解決しない。そう感じたのだ。ぼんやりとだけど、いまの楢葉の姿から考えさせられるのだけど。

安倍内閣総理大臣施政方針演説

 国会はいよいよ本予算の論戦に移る。昨日は施政方針演説など。内閣を改造して、もう数カ月。やっとの基本方針の提示という異様さでもあるわけだ。

 これがその施政方針演説。

 演説の構造がまず異様。というかある意味であけすけ。とにかく経済を語ろうとする。しかし、その経済は、イノベーションという言葉をくり返し使う。サプライサイド改革の延長線上で、とにかく強い企業のための経済という意味での強い経済。一億総活躍もそのためのものということがあけすけに語られているのだもの。国民生活の現状については、この人(たち)はほんとうに関心がないのだと痛感させられる。

 その一方で、各論に入れば、いろいろなことをバラ色に描いで、自画自賛する。だけど、語っているいろいろな対策なるものは、よくみればとても限定的で、それが国民生活の改善にはむすびつきそうにない。ここもよく解明しなければいけない論点だろうなあ。

 そして、戦争法の具体化の推進、日米同盟の強化、さらには改憲までも視野に入れることを明言する。

 いよいよ気合いを入れて、アベ政治に対決していかなければいけないなあ。そういうことを痛感させられる。

2016/01/20

日裁判所の奇妙な慰安婦判決

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 4時ごろに、請求棄却のニュースが流れて、目をうたがった。じっとしていることができず、とりあえず夜は、仕事をひとまずおいて、どんな判決か詳しく知りたくて報告集会にかけつけた。

 日本のメディアは正確に報道しないから。しかたがないので、ハンギョレのHPから。

日裁判所の奇妙な慰安婦判決(ハンギョレ新聞)

「慰安婦は性奴隷」と著述した吉見義明教授 
捏造と言った発言者に損害賠償求めた訴訟で敗訴 
「聞く人が捏造とは評価しなかったはず」

 「不当判決です。弁護士として惨めです」
 20日、東京千代田区、東京地方裁判所の前。「不当判決」とハタの前で、慰安婦問題の解決のために活動する日本の市民団体の注目を集めた「吉見裁判」の判決内容が紹介された。裁判に参加した最年少の弁護士である武藤行輝氏は原告敗訴の事実を伝えながら「裁判官の判決を聞いて頭が真っ白になりました。期待に応えられず、申し訳ありません」と述べた。その周辺を取り巻く約100人の日本の市民たちは「不当な判決を許さない」「吉見教授の名誉を守ろう」と叫んだ。
 東京地方裁判所33部(裁判長原克也)はこの日、日本国内慰安婦問題研究の権威である吉見義明・中央大学教授(69)が桜内文城・前衆議院議員(日本維新の会所属)に対して提起した名誉毀損訴訟で、「原告の請求を退ける」として原告敗訴を言い渡した。
 裁判が大きな注目を集めたのは、現在の慰安婦問題をめぐる最大の争点である「慰安婦制度は性奴隷制度だったのか」について、日本司法の判断が下されるものと期待されていたからだった。
 事の発端は2013年5月、桜内前議員が外国特派員協会記者会見で「慰安婦は性奴隷」という吉見教授の著述について、「捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかにされている」と述べたことだった。吉見教授は桜内前議員に対し、この発言の撤回と謝罪を求めたが、拒否されたことを受け、同年7月26日名誉毀損による損害賠償を請求する訴訟を起こした。
 吉見教授側は、当初楽勝を予想していた。桜内前議員が「捏造」と発言したため、自分の発言が名誉毀損ではないことを証明するには、吉見教授が「慰安婦が性奴隷ではないことを知りながら性奴隷という研究結果を発表した」という点を証明する必要があったからだ。
 原裁判長は原告の訴えを退けた判決理由で、桜内前議員が口にした「捏造」と言葉は、(発言の文脈から)聞く人にとっては(通常の意味の)捏造を意味するのではなく、著書に対する論評に過ぎないということだった。裁判所は判決文で「本発言(桜内前議員の「捏造」という発言)は口頭で述べた短いコメントだ。中立的立場の通訳もこの言葉を『誤り』、『不適当な』という程度の意味であるであるインコレクト(incorrect)と訳した」と述べた。彼は続いて性奴隷部分については「従軍慰安婦が『性奴隷だったのか』そのものではなく、そのように評価できるか否かの問題」であるとし、「事実に使用されている捏造という言葉はふさわしくない」と指摘した。川上詩朗弁護士は「慰安婦制度が性奴隷制であるか否かについては判断を避けた、非常に形式的な判決だ」と批判した。
 吉見教授は判決後開かれた報告大会で「判決は非常に残念で憤りを憶えるものだった。一人の研究者にとって、研究結果が『捏造』と言われるのがどれほど個人の名誉を毀損し、人格を傷つけるものなのかを、裁判所が理解していなかった」と述べた。吉見教授は判決に不服として控訴する予定だ。

 判決文はこれ。

 しかしまあ、わけのわからない判決なんだ・。まず「捏造」の定義を、すりあえる。事実をねじまげたのが捏造だけど、そのような受け取り方がされない表現だったと。なんじゃそれ。「捏造」といったのは、事実の指摘ではなく、意見ないし論評の表明だというのだ。だから「捏造」の内容をはなから問題にしない。
 しかし、それでも、「捏造」といったことは「原告の客観的な社会的評価を低下させるもの」ということは認める。
 だけど、原告の著書には、「捏造」で問題となっていることが記述されている事実があるのだから免責されるということになってしまう。意見ないし論評の域を出ず、違法性はないのだというのだ。
 最高裁の判決を、強引にねじまげて、争点の中身にはいることなく、名誉棄損による損害賠償の対象にならないというわけだ。
 まあ、ほとんど結論が先にあるという裁判の典型だよなあ。そんなふうな判決をひきだしてしまうのが、ネトウヨなどの動きであり、それに支えられた政権の態度であり、それにひっぱられるような社会の雰囲気か。うーん。これはまずいよなあ。

実話を元に制作された映画『鬼郷』来月24日に公開

 ついにできたそうだ。早く見たいなあ。というか、日本で見られるのか? 試写は日本ではないのかなあ。

211444_l実話を元に制作された映画『鬼郷』来月24日に公開

 旧日本軍による慰安婦被害者の実話を元に制作された映画『鬼郷』が来月24日に公開されると映画配給会社ワウピクチャースが19日、明らかにした。
 映画を演出したチョ・ジョンレ監督は、2002年に生存している日本軍慰安婦被害者の後援施設ナヌムの家でボランティアをしていたとき、カン・イルチュルさんが美術心理治療中に描いた『燃やされる処女たち』を見てシナリオを書き始めた。チョ監督は「投資誘致が困難で14年間シナリオを整えながら長年準備してきた」とし「国民から自由に後援してもらうクラウドファンディングにより制作に取り掛かれた」と話した。チョ監督はこの映画の脚本から演出、制作まで引き受けた。
 映画は国民7万3164人(今月17日基準)の積極的な参加により制作され、純制作費の50%以上の約12億ウォンの制作費を調逹した。また元老俳優ソン・スクや俳優チョン・インギ、オ・ジへら俳優やスタッフが才能寄付をするなど映画制作に参加した。
 映画『鬼郷』はナヌムの家で最初の試写会を行い、居昌、光州、大邱、大田、原州、釜山、済州、ソウルなど全国を巡回しながら後援者のための試写会を行った。今月には米国のロサンゼルスやアリゾナ、ニューヨーク、コネチカット大学、エール大学、ワシントンなどで海外後援者のための試写会が行われる予定。

 かかわっているメンバーも、支える運動もなかなかだねえ。

2016/01/19

参院改憲派「3分の2ない方がよい」46% 世論調査

 朝日の世論調査。ますます、いろいろなことを考えないといけないなあ。

参院改憲派「3分の2ない方がよい」46% 世論調査(朝日新聞)

 朝日新聞社は16、17両日、全国世論調査(電話)を実施した。この夏の参院選の結果、安倍政権のもとで憲法改正をめざす政党の議席が参院全体で3分の2以上を占めたほうがよいと思うか尋ねたところ、「占めないほうがよい」46%が「占めたほうがよい」33%を上回った。慰安婦問題をめぐって昨年末、日韓両国が問題を決着させることで合意したことは、「評価する」63%が「評価しない」19%を大きく上回った。
 内閣支持率は42%(前回12月調査は38%)で、やや上昇した。不支持率は38%(同40%)だった。男女別の内閣支持率は男性47%、女性38%。女性の支持率は昨年9月調査の29%から復調傾向がみられる。
 安倍政権で改憲をめざす政党の議席が参院全体で3分の2以上を占めたほうがよいと思うかとの問いでは、内閣支持層の51%が「占めたほうがよい」、30%が「占めないほうがよい」と回答。自民支持層では52%が「占めたほうがよい」、26%が「占めないほうがよい」とした。内閣・自民両支持層でも「占めないほうがよい」が一定数いるようだ。……

 これがその世論調査結果。

 改憲への警戒感は高いし、戦争法には反対。だけど、安倍さんの支持は比較的高い。政党支持率は、投票先で言えば、自民・公明・おおさか維新で50%にもなろうと。ここをよく踏まえた、議論だけどなあ。ふむふむ。

報道の魂 SEALDs 2年間の軌跡

 見ましたよ!

160117 SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)
2015年夏、国会前で、「民主主義って何だ」「憲法守れ」と訴えた。
 彼らの行動は、2013年12月、 特定秘密保護法が成立した夜に集まった、 わずか約10人の学生たちから始まっていた。
 「民主主義が終ったと言った人もいた。終わってるなら始めるぞ」
 法を勉強し、問題点を指摘し続け、 やったこともないデモに臨み、 自分たちの言葉でどんな社会に生きていきたいかを訴えた。
 そして去年5月、特定秘密保護法に対してだけではなく、 自由で民主的な社会を守るためとして「SEALDs」を立ち上げた。 その直後、安保関連法案が閣議決定された。
 「憲法守れ」国会前で抗議を続ける彼らの姿を見て、 元予科練の男性が投書を寄せた。
 「特攻で死んでいった仲間が、そこに立ち並んでいるように感じた」
 メンバーの奥田愛基さんらと会いに行った。
 男性が奥田さんに伝えた言葉はー。
 SEALDsの学生たちは、安保法案が通った今も、 学びながら、路上に立ちながら、社会に問い続けている。
 「民主主義って何だ」

 とくに、元予科練の加藤さんとのやりとりは、ものすごくよかった。学生たちの学びの真摯な姿勢。たぶん、そのことが、彼らの言葉が、ボクらの心にどんどん刺さってくる最大の理由なのだと思うなあ。それは重要なこと。

 もちろん、語らなければならないこと、いろいろ議論が必要なこともいっぱいあるだろうけど、だけど、言葉の一つ一つが、胸を打つのだよなあ。

 さらに、もちろん。若者は多様だ。表現様式も、なにもヒップホップだけではないし。いろいろな状況の中に、いろいろな考えで若者たちがいる。そのことも、よくよく、考えながら、1つの流れとしての、こうした取り組みの意味や、そこから学ぶべきこと、考えるべきことを、考えたい。

2016/01/17

障害者福祉 共に暮らせる社会を求めて

 うーん。このように描いたか。昨日の番組「日本人は何をめざしてきたのか」を録画で今日見た(サッカーを見ていた)。

20160116 戦後、日本は、障害のある人たちとどう向き合ってきたのか。
戦時中「米食い虫」「非国民」と呼ばれ抑圧されていた障害者。戦後、困窮する傷痍軍人への対策をきっかけに初めて公的な障害者福祉の制度が生まれた。1960年代、重度の障害がある子どもの親たちの訴えがきっかけで、国や自治体は「コロニー」と呼ばれる大規模な施設の建設を推進。障害者施設を充実させていった。
 ところが1970年代、障害者たちは、閉鎖的で自由のない施設での生活に不満を訴え始めた。都立施設に入所していた三井絹子さんは「施設は社会のゴミ捨て場だ」と、都庁前にテントを貼り座り込んで抗議。そうした動きを後押ししたのが1981年、国連の「国際障害者年」。障害者も他の人と同じように地域で暮らすべきだという「ノーマライゼーション」の思想が流入、国の政策も施設から地域へと移り変わっていく。元厚生省障害福祉課長の浅野史郎さんは、「これからは地域福祉だ」と制度作りに邁進。宮城県知事に転身後は、知的障害者施設の“解体宣言”を公表した。
 今年4月、「障害者差別解消法」が施行される。障害による差別をなくすため自治体や企業、一人一人の意識改革が求められる。高齢化が進み、誰もが病気や障害と無縁でなくなりつつある今、戦後の障害者政策を当事者や政策立案に関わった人たちの証言をもとにたどり、障害のある人もない人も共に暮らせる社会へのヒントを探る。

 描いてほしいことって、もっとたくさんあるのだけど。

 たしかに、青い芝の会が向き合ってきた問題は、ボクらが向き合うことが求められていたことではあったのだ。そのなかで、さまざまなとりくみがあったのだけど。それは「さよならCP」もそうではある。いかに、健常者の目線でしか、障害の問題が語られなかったのか。それが、自立支援法にまで続いていく。
 権利条約の時代に、それでも公的な責任が後景に追いやられようとしている時代に、考えなければならない問題でもあるのだけど。私たち抜きで私たちのことを決めないで!

 だけど、さまざまな議論があった。いま、では、大きな歴史のなかで、そして、現在直面している問題に向き合う中で、青い芝の会の歴史をどう位置付けるのか。自分としてどう考えるのか。いろいろ割り切れない思いや、考えなければいけないという問題を感じながら、なかなか難しい宿題をつきつけられた感じの番組だなあ。大きな共同の先駆けとなったとりくみでもあるしなあ。
 だけど、もっと、もっと、描いてほしいことが多かったというのも率直な思いでもあるのだけどなあ。

 ただ、かつての時代の保守は、懐が太かったというのは痛感させられる。とりわけ70年代初頭の福祉への向き合い方。これも考えさせられるなあ。

ふくしまノート

2 こんな漫画があるなんて知らなかった。井上きみどりさんという仙台の漫画家さんが、福島をていねいに取材して書いたもの。1巻は、非難したり、それでも福島に残った人たちに取材して、その思いを伝える。2巻は、復興やその後をめぐる問題。とりわけ、農と食をめぐる問題にも踏み込む。その踏み込み方も、なかなか見事だ。冷静に、ていねいに福島を追いかけた作品。なかなかのものだなあと、ちょっと驚いた。


震度7 何が生死を分けたのか ~埋もれたデータ 21年目の真実~

 今日のNスぺ。たしかにNHK執念の取材。

Img_02_2 史上初めて震度7を記録し、6,434人が犠牲となった阪神・淡路大震災。
 実は21年前の被災直後、“生と死”に関する大量のデータが収集された。死の原因、家屋倒壊の状況、火災の広がり方、救助の動き・・・。これらのデータは耐震補強の重要性など、様々な教訓を導き出した一方で、技術に限界があったため、多くが十分な分析を受けずに残されてきた。
 NHKではこれらのデータを再発掘し、最新の分析技術で1月17日に何が起きていたのかを可視化するプロジェクトを立ち上げた。複数のデータに時間経過も組み合わせて、命がどのように奪われていったのか、その全貌を“再現”すると、見落とされていた都市直下地震の“真の姿”が明らかになってきた。発生後1時間以内に犠牲者の8割近くが集中するその意外な原因、揺れから2時間以上たって発生し命を奪う謎の火災、半日以上たっても救助が進まない都市ならではの弱点、見えてきた教訓の多くは今も根本的な対策がとられないままだ。
 都市直下地震で命を落とすとはどういうことなのか、その現実を明らかにするとともに、命を守るために今、何をしなければならないのか、考える。 

 通電火災による死者。圧迫死の実相。たんねんな取材と分析はNHKならでは。これはすごい。
 そういう執念の番組。

 問題は、政治が、どう教訓を学んだか、政治の役割とは何なのかという気がするが。そこはどうなんだろうか?

 21年目の今日は福島にいた。
 帰りの電車のなかで、ソウルフラワーの「満月の夕」を聞く。ちょっと、涙。

2016/01/15

非正規の2割「食事の回数減らした」 生活苦しのぐため

 うーん。これが現実だなあ。

非正規の2割「食事の回数減らした」 生活苦しのぐため(朝日新聞)

 その人の賃金が世帯全体の収入の半分以上を占める非正規労働者のうち、20・9%が生活苦をしのぐために「食事の回数を減らした」と答えていた。シンクタンクの連合総研の昨年10月の調査で、この1年の間にとった行動を複数選んでもらったところ、「医者にかかれなかった」「税金や社会保険料が払えなかった」も13%あった。
 連合総研は「非正規であるために収入が低く、医療費や食費を切り詰めることで『健康格差』が心配される」と指摘する。
 インターネットを通じ、首都圏など12都府県で非正規で働く20~49歳の男女1967人から回答を得た。1990年代後半以降の就職氷河期を経験した人が含まれる50歳未満を対象にした。回答者全体のうち、世帯の主な稼ぎ手になっているのは男性で49%、女性で28・1%。男性は年齢が高くなるほど割合が高く、40代では70・6%。このうち世帯の収入すべてを稼いでいる人は48・6%だった。

 これが報告概要。

非正規労働者が主稼得者の世帯は、四分の一が世帯貯蓄なし
●男性のおよそ半分は、世帯の主稼得者(Q56)
●勤続5年以上でも時給額は大きく変わらず(Q60)
●主稼得者である女性のおよそ半分が賃金年収 200 万円未満(Q59)
●非正規雇用の女性が主稼得者である世帯の 33.3%が世帯年収 200 万円未満(Q59)
●非正規労働者が主稼得者である世帯は、4割超が〈赤字〉(Q43)
●非正規労働者が主稼得者である世帯は、四分の一が世帯貯蓄なし(Q61)
非正規労働者が主稼得者の世帯の2割は、生活苦で食事減らす
●三分の一の世帯で「医療費」を、四分の一の世帯で「子どもの教育費」を切詰め(Q44)
●およそ8割の世帯で支出の切詰めを行う(Q44)
●非正規労働者が主稼得者の世帯の2割超で「食事の回数を減らした」(Q45)
●1割超に「消費者金融のローンがある」(Q62)
●最も困っていること、支援してほしいことは、「お金のこと」が最多(Q66)
●「お金のこと」で困っている主稼得者は4割超(Q66)
●30代、40代男性の3割超が〈健康ではない〉(Q65)
男性は9割近くが未婚で、年収が低いほど未婚率が高い
●男性の 89.6%が未婚(Q50)
●女性の 16.9%が就業調整を行う(Q63)
●就業調整の理由は「世帯の税負担が増える」が4割超(Q64)
男性のおよそ半分が、いわゆる「不本意非正規」
●男性のおよそ半分が、いわゆる「不本意非正規」(Q19)
●四分の三が、勤め先を変えた経験あり(Q20)
●若い世代ほど、初職が正社員だった割合が低い(Q21)
●前職は、およそ8割が非正規雇用(Q21)
雇止めの不安を〈感じる〉が4割超
●4割超が雇止めの不安を〈感じる〉(Q11)
●およそ半数が現在の勤め先を〈変わりたい〉(Q22)
●勤め先を〈変わりたい〉理由は「賃金が低いから」が4割超(Q23)
●男性の 46.7%は正社員として働くことを希望(Q24)
●現在から2、3年の間に正社員として働きたい割合は男性の方が高い(Q25)
●男性契約社員・嘱託職員の7割が10年後は正社員を希望(Q25)
●有期契約の3人に1人は、契約期間が通算5年を超えたら無期転換を申し込みたいと回答(Q10)
正社員との均等待遇の要望が強いのは「一時金・賞与」
●「退職金」は、4割超の企業で正社員のみに支給(Q12)
●正社員と同じ処遇にしてほしいと思う割合が最も高い制度は「一時金・賞与」(Q13)
●「一時金・賞与」を正社員と同じ処遇にしてほしいとする割合は、契約・嘱託の人で高い(Q13)
4割近くが「非正規労働者は対象外」で教育訓練を受けられず
●勤続年数が長くなっても、教育訓練の受講割合は変わらず(Q14)
●4割近くが、「非正規労働者は対象外」のため、勤め先の教育訓練を受けられず(Q15)
●勤め先以外で教育訓練を受講したことがあるのは 13.8%(Q16)
●勤め先以外で教育訓練を受けない理由は、半分近くが「受けたいと思わないから」(Q17)
4割近くが、正社員転換制度に実効性があると思わないと回答
●正社員転換制度がある企業は3割(Q26)
●37.4%が、正社員転換制度に実効性があるとは思わないと回答。(Q27)
●正社員転換制度の実効性がない理由は「実績が少ない」「人数が少ない」が4割(Q28)
●4人に1人は、正社員転換制度を利用したいと回答。(Q29)
2人に1人は、勤め先の労働組合の有無が「わからない」
●半分近くが労働組合の有無が「わからない」と回答(Q30)
●9割近くが労働組合に加入せず(Q31)
●27.7%が、組合活動を「まったく目にしない」と回答(Q32)
●困りごとを労働組合に相談したい人は 17.3%にとどまる(Q34)
●労働組合に加入しない理由は、「労働条件改善に役立つと思えない」が 24.4%(Q36)
●労働組合が〈必要〉は 45.2%、〈必要ない〉は 2.7%(Q37)
違法状態を労働組合に相談する人は、2割未満
●違法状態経験時に「何も行動しないで現在の仕事をやめる」割合は正社員より高い(Q38)
●違法状態を経験したとき、およそ半数は「家族に相談」(Q39)
●違法状態について誰かに相談する割合は、年代が上がるほど低下(Q39)
●違法状態を勤め先の労働組合に相談する組合員は3割未満(Q39)

 実態の深刻さ、不安定さと、そして労働組合をめぐる問題。うーん。

衆院定数10減を答申 5年ごとに区割り見直し

 いよいよ、出てきましたねえ。

衆院定数10減を答申 5年ごとに区割り見直し(東京新聞)

 衆院の選挙制度改革を検討する有識者調査会(座長・佐々木毅元東大学長)は十四日、違憲状態とされる「一票の不平等」の是正や定数削減の具体案を盛り込んだ答申を大島理森議長に提出した。議員定数は現行の四七五から十削減して四六五とする。小選挙区は現行の定数二九五から「七増十三減」で六減、比例代表は定数一八〇から「一増五減」で四減。小選挙区間の「一票の格差」が二倍以上になった際は、現在は十年ごとの区割り見直しを五年とすることも提言した。
 答申は、最高裁判決で違憲状態と指摘された「一票の不平等」を是正するためとして、都道府県への議席配分は人口により比例しやすくなる「アダムズ方式」の採用を求めた。十年ごとの大規模国勢調査に基づき、各都道府県の配分数も変更する。新方式では都道府県間の「一票の格差」が現行の一・七八倍から一・六二倍に縮まる。
 小選挙区の区割りは、大規模国勢調査に基づく現行の変更に加え、中間年に行う簡易国勢調査でも、格差が二倍以上にならないように各都道府県内で区割りの見直しを行い、急な人口変動にも対応できるよう提案した。
 「七増十三減」により小選挙区の定数は東京都が三つ増え、愛知、神奈川、千葉、埼玉の四県は一つ増える。三重、滋賀など十三県は一減。比例代表は十一ブロックを維持し議席配分をアダムズ方式に変更。「一増五減」は東京ブロックが一増で、東北、北関東、東海、近畿、九州の各ブロックが一減となる。答申通り定数が四六五になれば、一九二五(大正十四)年に男性のみによる普通選挙が始まって以降、最も少ない数となる。
 答申を受け、政党間で制度改革などを具体的に検討し、公職選挙法改正などに向けた合意を目指す。…

 これがその答申。

 うーん、なんていうか。資料も含めてみてみると、定数削減には何ら根拠がないのだけど、大きな政治勢力が定数削減を掲げているから無理やり、10の定数削減をやったというような内容。むしろ、いろいろ読んでいくと、定数削減はおかしいということも、なんとなくしめしている感じもする。
 そして、小選挙区制の問題を完全にさけてしまっている。最高裁判決などでも、ほんとうは、抜本的検討がもとめられていたはずなのに…。そういう答申という感じだな。

2016/01/14

軽減税率「評価する」約40%「評価しない」50%余

 NHKの世論調査。安倍内閣を「支持する」と答えた人は先月と46%、「支持しない」と答えた人は35%。

軽減税率「評価する」約40%「評価しない」50%余(NHKニュース) 1月13日 5時40分

 NHKの世論調査で、消費税の軽減税率について、「酒類と外食を除いた飲食料品」、それに「定期購読の新聞」を対象に導入するという政府の方針への評価を尋ねたところ、「評価する」と答えた人はおよそ40%、「評価しない」は50%余りでした。
 NHKは、今月9日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行い、調査対象の65%に当たる1043人から回答を得ました。
この中で、6つの政策課題をあげて、ことし夏の参議院選挙で投票先を選ぶ際に最も重視したいと考えることを聞いたところ、「社会保障」と「景気対策」がともに23%、「消費税」が15%、「安全保障」と「憲法改正」がともに13%、「TPP=環太平洋パートナーシップ協定」が3%でした。
 また、政府は、消費税の税率を8%に据え置く「軽減税率」を、「酒類と外食を除いた飲食料品」、それに「定期購読の新聞」を対象に導入する方針ですが、この方針への評価を聞いたところ、「大いに評価する」が5%、「ある程度評価する」が36%で、合わせておよそ40%でした。
 これに対し、「あまり評価しない」が37%、「全く評価しない」が15%で、合わせて50%余りでした。
一方、現在、停止している原子力発電所の運転を再開することについては、「賛成」が20%、「反対」が40%、「どちらともいえない」が34%でした。

 ほかにも、日韓合意を評価するかどうかは、「大いに評価する」が14%、「ある程度評価する」が50%、「あまり評価しない」が22%、「まったく評価しない」が6%。ただ、慰安婦問題が、日本と韓国の間で懸案となることが、今後はないと思うか今後もあると思うか尋ねたところ、「今後はない」が8%、「今後もある」が59%、「どちらともいえない」が26%。リアルだね。
 野党の候補者の一本化に期待するかどうかは、「大いに期待する」が9%、「ある程度期待する」が24%、「あまり期待しない」が41%、「まったく期待しない」が20%。「衆参同日選挙」は、「賛成」が34%、「反対」が20%、「どちらともいえない」が40%。
 各党の支持率は、自民党が37.5%、民主党が8.1%、公明党が4.3%、共産党が4.2%、維新の党が0.3%、おおさか維新の会が1.9%、社民党が0.6%、改革結集の会が0.1%、生活の党と山本太郎となかまたちが0.3%、「特に支持している政党はない」が33.1%。

福島に農林漁業をとり戻す

Photo これは、そうとうおもしろかった。福島についてはいろいろな議論がある。なかには、かなり感情的な、事実を誇張したり、誤認したりする議論もあることは事実。だけど、とりわけ政府筋が流すデータを信頼しきれないというのも事実だ。それはそれで、経過的な根拠があるのだから。それでも、福島で生きていくというのは、一つの選択肢である。そして、福島を離れることも、いま決断しないことも含め。だからこそ、いったいあの原発事故の被害とはどういうものだったのか、その被害の実相の何が明らかにされ、国は何を明らかにしてこなかったのか。そして、この事故のために失われたものとはいったいなんだったのか。その損害とはなんだったのか。そして、何が回復し、どんな困難が生じているのか。何をなすべきなのか。そういうことを一つ一つ明らかにしていくことこそが、これからの方向を考えるうえでの前提であるはず。とても困難だけど、福島で生きていく以上、そのことを選択肢にするのならば、考えなければならない生業の再生の状況をさぐるのがこの本の課題。現地のとりくみは、ほんとうに気の遠くなるような積み上げが1つひとつおこなわれている。それでも、その道筋はほんとうに困難だ。その大きな要因は、やはり政治に、国にある。ただただ帰還を優先する。そこには、復興にいたる科学的なつみあげがないだから。若い研究者たちの、そういう粘り強い、現地と一体となった労作であるのだ。(批判を承知での感想)


2016/01/12

恵まれぬ食環境に支援を 「こども食堂」広がる輪 開設希望者ら都内でシンポ

 昨日は研究会に参加していたため、いけなかった。残念。

恵まれぬ食環境に支援を 「こども食堂」広がる輪 開設希望者ら都内でシンポ(東京新聞)

 ひとり親や貧困などの事情で一人で質素な夕食をとりがちな子どもに、だんらんの場と食事を提供するため各地で試みられている「こども食堂」。その運営者と、新たに食堂を始めたい人たちが交流するシンポジウムが十一日、東京都豊島区であった。全国で六人に一人の子どもが貧困状態にあるとされる中、二百人以上が経験者の話に熱心に聞き入った。 (皆川剛)
 主催した「こども食堂ネットワーク」に参加する食堂は、昨年四月時点で七つ。現在は三十三団体にまで増え、支援の輪は広がっている。
 「食堂を始めると多くの人が協力してくれた。子どもの力になりたいという潜在的な思いを持っている人はたくさんいる」
 昨年十月から三鷹市で「みたかやま子ども食堂」を開くスクールカウンセラー高橋久美さん(33)は、そう手応えを話した。勤務先の都内の小学校で、家庭で満足に食事を取れていない子どもに多く出会い、昨年夏にシンポに参加。その場で意気投合した近所の人と開設を決めた。
 定食屋を借りて月に一度開く食堂には、児童館の人が子どもを連れて訪れ、農協が野菜を提供し、近くの主婦らが空き時間に調理を手伝う。「今後は一人一人の子どもが直面する課題を把握し、どう学校などとつなぐかが課題です」と強調した。
 大阪市西成区で一九七七年から児童支援施設「こどもの里」を営む荘保共子(しょうほともこ)さんも講演で、「食堂の運営を通して子どもの家庭の問題に目を向けて」と訴えた。
 ひとり親の深夜勤務、精神疾患、虐待。子どもの貧しい食環境の背景にある親の問題に手がさしのべられず、子どもの孤立が増す例も多いという。
 中野区で「かみたかだ食堂」の四月のオープンを目指す伊藤由宏さん(42)は、「継続して親子と関係をつくる一方、福祉の専門家とどうネットワークを作るかを考えたい」と話していた。

 たしかに子どもの食をめぐる問題は、貧困のもとで、深刻となっている。こういう角度からの議論は大事なんだろうなあ。そして、荘保さんの言うように「食堂の運営を通して子どもの家庭の問題に目を向けて」は大事だ。

 荘保さんの講演。

 一昨年、相方といっしょに、こどもの里まで押しかけて、1時間半ほどお話をお伺いしたのが貴重な体験。やっぱり、すごい人だった。ちょうど、ボクが、荘保さんの実践の地を離れたのと入れ替わりにやってこられた。ちゃんと、時間をとってこの講演も聞かなくっちゃ、ということでクリップしておこう。

JNN世論調査、北朝鮮「水爆実験成功」に8割超が不安感じる

 こちらも興味深い結果であるなあ。

JNN世論調査、北朝鮮「水爆実験成功」に8割超が不安感じる(TBSニュース)

 先週、北朝鮮が「水爆実験に成功した」と発表したことについて、「不安を感じる」人が8割を超えていることが、JNNの世論調査でわかりました。
 調査は、9日、10日に行いました。それによりますと、安倍内閣の支持率は、前の月の調査より1ポイント下がって53.8%。「不支持率」は、前の月より0.6ポイント上がって、43.6%でした。
 北朝鮮は今月6日、「水爆実験に成功した」と発表しましたがこの発表について、「非常に不安を感じる」と「多少は不安を感じる」と答えた人はあわせて83%でした。「あまり不安を感じない」「全く不安を感じない」と答えた人は、あわせて17%でした。
 政府は、北朝鮮が拉致被害者らの全面的な調査を開始したことを受けて、人の往来や現金の持ち出しを認めるなど日本独自の制裁をおととしに解除しましたが、「再び制裁を科すべき」と答えた人は72%でした。また、北朝鮮の核開発を止めさせるため、「対話」と「圧力」どちらを重視すべきかたずねたところ、「対話」と答えた人が30%だったのに対して「圧力」と答えた人は59%でした。
 この夏に行われる参議院議員選挙についても聞きました。自民党と公明党の与党に対抗するため、野党は統一候補を立てるべきかどうか聞いたところ、「統一候補を立てるべき」と答えた人は56%、「統一候補を立てる必要はない」と答えた人が26%でした。参議院選挙後の与野党の勢力については、「与党と野党が伯仲する方が良い」が最も多い52%でした。
 消費税の税率アップの際の軽減税率についても聞きました。政府・与党は酒類や外食を除く飲食料品全般を軽減税率の対象にすると決めましたが、「評価する」と答えた人は50%。「評価しない」と答えた人は43%でした。
 従軍慰安婦問題について日本と韓国両政府は、先月、韓国が設立する団体に日本政府が10億円程度の資金を拠出することなどで合意しましたが、この合意について、「評価する」と答えた人は45%、「評価しない」と答えた人は42%でした。

 これがその世論調査結果。
 決して、二項対立では、理解できないところが特徴か。いろいろな面があるなあ。その根底になるもの、そこに働きかける内容。うーむ。

2016/01/11

参院比例選の投票先、「自民」37%…読売調査

 いよいろ興味深い世論の動き。

参院比例選の投票先、「自民」37%…読売調査(読売新聞)

 読売新聞社の全国世論調査(8~10日)で、今夏の参院選での比例選の投票先について聞いたところ、自民党が37%でトップだった。
 以下、民主党13%、公明党、共産党各6%、おおさか維新の会5%などの順だった。このうち、近畿では、おおさか維新が17%で、自民の39%に次いで多かった。
 自民、公明の与党が参院での過半数を回復した前回参院選前の2013年1月調査では、自民が37%で、日本維新の会16%、民主8%などだった。今回も自民の「1強」は変わっていない。
 参院選の結果、与党が、参院で過半数の議席を「維持する方がよい」との回答は48%と半数弱で、「そうは思わない」が40%あった。
 選挙区選で、民主など野党が候補者をできるだけ「統一する方がよい」と思う人は49%で、「統一する必要はない」33%を上回った。民主、共産の各支持層では「統一」が7割を占めた。衆参同日選(ダブル選)については、「行ってもよい」43%、「行わない方がよい」41%が拮抗きっこうした。

 自民は強いわけだけど、それは安定しているものではない。と、同時に、根強い野党が統一して、新しい流れをという世論も根底にはある。うーん。

日本人は何をめざしてきたのか 教育 “知識”か“考える力”か

 昨日の夜は、この番組を見た。

20160109 GHQの下スタートした戦後日本の民主主義教育。中学が新たに義務教育になった。三重県・尾鷲の中学教師、内山太門さん(95)は、「それまで中学に行く人は微々たるものだったから活気づいた」と語る。全国で地方独自のカリキュラムが模索され、山形の「山びこ学校」で生活綴り方を進めた無着成恭さん(87)は語る。「子どもたちが作文を通して、自分たちの身近な問題を真剣に考えるようになった」。
 国民の教育水準を飛躍的に向上させ、高度成長をひた走った日本。尾鷲中でも、「金の卵」を育てようと、職業教育に注力する。その一方、“落ちこぼれ”や“無気力”など問題が発生し、“詰め込み教育”が自ら考える力をつぶしているとの批判が生じ、尾鷲中学では、校内暴力事件がおこった。
 1980年代以降、国も“詰め込み教育”からの脱却を模索。中曽根政権下の臨教審提言を受けた文部省は、“ゆとり教育”へと転換。「総合的な学習の時間」を創設し、教える内容は3割削減する方針を打ち出す。しかし、学力や国際競争力の低下を危惧する声が高まった。2002年、文科省は「確かな学力」を向上させる「学びのすすめ」を発表。文部科学事務次官だった小野元之さんは語る。「このままでは日本が危ない。文科省は学力を軽視しません」。2011年から、再び学習内容拡大へと舵を切り直した。
 その間、日本の公教育予算の対GDP比はさがり、現在OECD参加国の中で最低レベルに。また、子供をとりまく経済環境も深刻化している。問題に取り組むNPO代表の青砥恭は調査を行った結果、「親の経済的な差がそのまま学力の差につながっている」という。
 あまねく平等な教育を、と始まった戦後教育。その変遷を、文部官僚、教師などの証言をもとにたどっていく。

 うーん、何が不満なんだろう。子どもや、子どもに即した実践が、あまりにも限られていて、戦後の教育を語るには、ちょっと、狭いんだろうなあ。これでは、教育の構造を歴史的に考えるうえでも、あまりにも表面的だし。戦後の教育改革の未完が、その後の歴史を考えるうえでも、深められないわけだし。材料はたくさんいいものがあるのに…。ゆとりからの転換も、あまり正確ではない感じ。子どもの貧困もこれでは、学習支援かよ。アクティブラーニングやチーム学校は、無批判になってしまうのし。(元)東大教育学部の人たちとの相談によるものだなあというのが、あまりにもありありで、こんなもんになるんだろうなあ。うーん。

「子どもの生活世界の今」研究会

12552825_1005439949516750_185161195 今日は、教科研の研究会に参加した。
 田中孝彦さんが、国会前で声をあげた若者たちと、寝屋川で徘徊をする子どもたちの姿を提示。そのうえで、そういう困難で居場所のない若者たちを社会につなぐ取り組みをする仁藤さんの取り組みにふれつつ、そうした若者との共同の問題を提示。つづいて荒巻さんが、SSWの支援から、とりわけ親の問題について言及した。
 メインは、仁藤さんの講演。彼女の話を聞くのは2年ぶりぐらいか。当時は、JKがもっとも話題になっているころで、JKビジネスの話が中心だったか。その後の、COLABOの取り組みなどを聞いても、踏み込むなあ。ものすごく踏みこんだ実践が、学校との違いを痛感させられる。若者の実態といきづらさ、排除される若者が、性的な犠牲者になっていくところを、かなり踏み込んで、紹介されていく。その話がリアルで。しかも、…。若者たちが主体となっていくうえで、いろいろ議論は必要だろうけれども、あくまで当事者に寄り添いながらの取り組みにもいろいろ考えさせられる。
 ちゃんと、議論しなければいけないし、何ができるんか、ほんとうによく考えなければいけないと痛感させられる。うーん。かなりの打ちのめされ感。


2016/01/06

ルポ 消えた子どもたち―虐待・監禁の深層に迫る

1 1年とちょっと前、NHKスペシャルで放映さえたショッキングなリポートが、ヴァージョンアップして、本になった。とにかくやられたと思った。最後の2つの章は涙がとまらなかった。
 斉藤理久くんの事件を契機につくられた番組。蔵端さんの調査力はすごいと思っていたけど、ほんとにすごかった。ていねいにすすめた、当事者への取材。貧困や困難が、どれだけ子どもに大きな負担、傷を負わせているのか。「子どもの貧困」、子どもの権利という問題が問いかけることの大きさをあらためて考えさせられる。そのことそのものを、よく考えなければいけない、と。
 取材は、親にもすすんでいくのがすごいのだ。その親の困難と孤立。とりわけ、大きな要因は貧困であり、精神的な障害である。それを支える社会的な制度のなんと貧弱なことなのだろうか。
 とりわけ、家族が孤立化し、一方で、責任がもとめられる社会の中で、こうした事態は決して特殊ではない。誤解を恐れず言えば、こうした経験をし、傷を負った、若者たちの生きづらさと、いまの若者たち、大人たちの生きづらさは、地続きでもあろう。だからこそ、いまの社会のありようと政治の責任を、より正面から見ていかなければいけないのだ。政権の空疎な議論にまどわされず、ほんとうにいまの社会のあり方を、真剣に共有していくようなとりくみを。大きな課題を念頭から突き付けられた1冊。これはおすすめです。


2016/01/05

子の貧困率、沖縄37%最悪 12年全国の2・7倍

 おお、今日の琉球新報の一面には、戸室さんのお名前が。

子の貧困率、沖縄37%最悪 12年全国の2・7倍(琉球新報)

 2012年の沖縄の子どもの貧困率が37・5%に上り全国最悪になっている状況が、山形大学の戸室健作准教授(社会政策論)の調査で4日までに分かった。18歳未満の子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が、貧困に陥っていることが浮き彫りになった。全国平均は13・8%で沖縄は全国平均の約2・7倍。2位の大阪府(21・8%)を10ポイント以上上回り突出して高い。戸室准教授は、大人のみの世帯も含む全体の貧困率についても算出。沖縄は34・8%で3世帯に1世帯以上が貧困との結果となり、全国平均を16・5ポイント上回った。
 国民生活基礎調査を基にした厚労省による最新の全国の貧困率は16・3%(2012年)。
 戸室准教授は2月発表予定の論文で「沖縄はこの20年間、常に貧困率が最も高い地域であった」と指摘した。貧困率の改善に向けて「生活保護費を全額国庫負担にすべきだ。それで全国で(生活保護の)捕捉率の上昇が期待できる」と提言した。その上で「最低賃金の金額を大幅に引き上げることや、非正規雇用の活用を規制することが必要」と国の施策を求めている。
 働く貧困層「ワーキングプア」の割合は、沖縄は25・9%で全国ワーストとなり、全国平均9・7%を大幅に上回った。前回調査(2007年、20・5%)に比べ5・4ポイント上昇し、悪化の一途をたどっている。
 さらに、貧困世帯で生活保護を受けている世帯の割合を示す生活保護の「捕捉率」を見ると、沖縄は11・5%と1割にとどまっている。多くの困窮世帯に支援の手が届いていない現状も浮かび上がっている。
 戸室准教授は国の「就業構造基本調査」と「被保護者全国一斉調査」、「被保護者調査」を基に、1992年から2012年にかけて5年ごとに都道府県別の貧困率と「捕捉率」、「ワーキングプア」の割合などを算出した。「子どもの貧困率」は、18歳未満の末っ子がいる世帯のうち最低生活費以下の収入しかない世帯の割合としている。
 戸室准教授の論文は、2月刊行予定の「山形大学人文学部研究年報第13号」に掲載される予定。

 現在の基地をめぐる問題とそれに重なる雇用の問題。そこにいたる過程、米軍統治下の沖縄、その前の沖縄戦と、沖縄の貧困には歴史性あある問題。だからこそ、階級的な問題は、沖縄にとってはアイデンティティの問題として出現するのでもある。
 いろいろ考えさせられる沖縄の実態。

2016/01/04

チェジュ行き その2

10639429_1000795899981155_365987896947362_1000812399979505_2185748634110391592_1000812303312848_815463066 そして、次の日は、まず4・3事件平和公園に向かう。記念館を見て、公園をあるいて。この事件の歴史的経緯は、何をどう考えても、日本の植民地支配と一体である。歴史的な一体性と同時に、その日本支配への反発が、南の地の、左派支持の強さの背景となり、米軍といったいとなった弾圧の要因になっているという意味においても。その悲劇を再現した展示に、うちのめされる。ちょうと、金時鐘さんの本を読んでいたから、前年の3・1記念デモへの弾圧、ゼネスト、4・3そして、平和解決の挫折と選挙、想像を絶する弾圧へとへの経過が生々しい。この歴史から何を学ぶのか、戦争についての反省も不十分で、植民地支配に対しても無関心で、自分の国の思想弾圧などほとんど関心をもたないこの国で考えるべきことは何か?いろいろ考えてしまう。それほど、ボクらに課せられた問題って大きいんではないのか?
 もう十分すぎるほど、打ちのめされる旅になってしまった。

9595_1000882309972514_199634800852375687_1000882289972516_50203622109412366227_1000882353305843_346191624 平和公園はやっぱり半日かかった。その次に、済州民俗村に行った。そこで離島としてのこの島の歴史を垣間見る。歴史づきにはうれしいところ。ここをゆっくりみていると、もうすでに、飛行機の時間が近づいてしまった。
 3泊4日の旅のため、最終日は、ソウル泊。だけど、最終日は、もう疲れ果てて、どこにも行かなかった。それくらい、衝撃もあり、密度の濃い旅だった。やっぱり、学ぶには何度もいかないと。そう思った。
 だけど、現地の人とたまたま知り合って、案内してもらったことで、全然ちがう、密度の濃いものになったと思う。ボクらが考えなければいけないことってほんとうに多い。少しぐらいで知ったるもりにならないで、もっと学ぶこと…。
 でもまあ、ボクは、休みの旅は、自分を追い込む旅にと思っている。ことしも、がんばるぞってね。
 そんな旅に付き合ってくれる、変わり者の、友人と、そして相方に、なにより知り合ったチェジュの友人に感謝の旅だったなあ。

チェジュ行き その1

 今年の正月は、チェジュに行くことにした。昨年の夏、仙台で知り合ったかたが、チェジュ在住の研究者で、それに触発されて、そして、案内をたのんだ次第。この間、韓国行きをともにしている友人と、そして相方と三人の旅である。
 31日に韓国に向かう。現在は、チェジュ直行便が、休止しているため、成田から仁川、そして金浦、チェジュという航路で、それで一日かかってしまう。雪がふったらたいへんな事態に(去年がそうだった)なるため、ゆとりのもっとた冬行程である。ついたのは9時半。その夜は、案内のKさんの知り合いの海鮮のお店で、舌鼓。しこたま酔っぱらう。

970942_1000258196701592_221457209821916622_1000258230034922_849787669910391940_1000258163368262_924600083 2日目、最初に連れられたのは、日本の植民地時代の缶詰工場の跡だ。当然、当時にことだから、それは軍事目的もあり、日本の植民地支配のありようと大きくかかわっている。日本の植民地支配の特徴の一端を垣間見た気分だ。これは、ぜったいに、普通の観光客はいかないでしょう。この工場を経営していたのは竹中新太郎といい、京都の伏見でも工場を経営している。

1931375_1000287696698642_343664938310405610_1000287713365307_14520394410590440_1000287740031971_226558749 日本の侵略の末期、最後の本土決戦にそなえて、決7号作戦が発令される。そして、このチェジュも、日本の本土決戦の捨て石としての体制がしかれ、7万5000人もの軍隊が配置される。それだけでもおどろきだけれど、このチェジュには日本軍がtくった地下要塞が120か所ほど存在する。当然、それは朝鮮人の強制労働によってつくられている。そして、一度地下に潜った彼らの多くは、軍事機密であるがゆえに、生きて戻ることはすくなかったという。その1つの場所に、済州 戦争歴史 & 平和 博物館がある。そこで、映像と、日本語でいろいろな説明を聞いた。その現地の人の日本の侵略と植民地支配に対する厳しい言葉を聞き、やっぱり日本の植民地支配への認識の甘さを痛感させられる。かなりショッキングだ。ここは、ぜひ、日本人はくるべきところだと思う。

1610067_1000302733363805_16135336701422498_1000302763363802_7480547097998982_1000303513363727_3656380554610406836_1000303530030392_222749827 その博物館の近くに、アルトル飛行場跡があり、そこに掩体壕がたくさんのこっていた。ここにも、日本軍の支配の傷跡が残っている。そして、その地には、日本軍の爆薬庫跡があり、後の4・3事件の遺体が、そこかた発掘されている。日本の支配と4・3事件の連続性がそこから見えてくる地でもある。

644653_1000308846696527_52968860126735134_1000308826696529_40602444301 そこから海岸にでて少しいくと、チャングムのロケ地で有名な場所につく。だけど、その場所は、日本軍の海岸要塞がつくられ、特攻艇震洋の基地だった場所がある。それは、ほんとうにショッキングだった。沖縄の渡嘉敷にも、これはつくられ、それが集団自決(集団死)の要因になったことは有名でもある。結果的に、米軍は、このチェジュを攻めはしなかったが、もし、米軍が攻めてきていたならば、凄惨な歴史がここでもあったことは容易に想像できるのだ。うーん。

1544328_1000373623356716_75324300345133_1000373556690056_6186012053677947033_1000373600023385_8347336765810366325_1000373543356724_593980507 そこからさらに西に向かった場所に、江汀(カンジョン)村の海軍基地建設の現場がある。住民の多くが反対するなかで、海軍基地がつくられようとしている。すでに、イージス艦が停泊していた。当然、米軍と一体の施設である。平和の島であるはず、あれねばならない歴史の現場でこんなことがおこっていることに、胸がつぶれる。

1375081_1000398173354261_627622845971797_1000398153354263_6419393963331463250_1000398113354267_8703231808486837_1000398133354265_635510501126027_1000483870012358_245807085256012469909_1017198855003717_157154509 すっかり時間が遅くなって、ホテルに帰る前に、建築学概論という映画、ボクの好きな映画のロケ地、「ソヨンの家」によった。なんと、そこで、この映画のプロデューサーのとシム・ジェミョンさんたちにあった。最近、ボクがみた「明日へ」をつくった人。サインをもらったり、写真をとったり、おもわぬサプライズ付きの一日になった。なんと、激しい1日だったのか。


2016/01/03

セシボン

Original 金浦のホテルで韓国語で見る映画。ストーリーはわからないけど、切なさだけが伝わってくる。そして、やっぱり、ハン・ヒョジュが愛らしい。軍政下の韓国の時代もかさなりながら。 わかんないけど、泣けた。


2016/01/02

朝鮮と日本に生きる――済州島から猪飼野へ

Photo 今年の正月はチェジュに行くことにしたから、去年途中まで読んでいて、ほっぽっていたこの本を、読み返してみた。4・3事件にもかかわった、著者の回想の内容は思い。それは明らかに、日本の植民地支配の延長線上にある。チェジュでの感想は、あとで別に書くけれど、日本の植民地支配の実態や、そして、4・3事件にいたる経緯、その過程をチェジュで追体験することになる。著者の思い回想は、ボクにとってとても貴重だったし、最後の大阪での著者の生活は、ボクが小さいころ垣間見ていた知っている世界でもある。その先に、ボクらの時代がある。そのことをよく考える必要がある。そこから学ぶ必要が…。


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