ぼくらの民主主義なんだぜ
半分ほど読んで、しばらくほおっておいた本を読み切った。うーん。まあ、ボクも総合誌の編集者である。いまの雑誌で24年。ちょうど明日で。その前に2年ほど別の雑誌をつくっていたから、26年以上のベテランだな。かつては総合誌はいっぱいあったが、廃刊があいつぎ、いまや総合誌などほとんど絶滅危惧種だ。そんな仕事をしている。だから、論壇時評といっても、そんなことが成立するのかは難しい。そんななかで、作家・高橋源一郎は新しい批評の基軸いいどんだといえばそうだなあ。
この3年ほどの論壇時評。3・11を契機に社会のありようが大きく変わる時代の批評だけに、おもしろいし、同じ時代を見続けてきた人間として、いろいろ共感することは少なくない。大きな時代状況のなかで、関心をもったこと、感じたことはやっぱり共通している。そのことは多くを言わない。
だけど、高橋さん自身の評価は別として、それでも、違和感をずっと感じながら読んでいたのはどうしてなのか? うーん、いろいろ考えた。たぶん、どこかで、思考を中断する。そんな作意を感じるのだ。感情とか、感性とうことを口実にした思考の中断。そんなことはないのか? 論壇が成立しなくなって、一番感じるのは論がなりたたないというもどかしさだ。そのことを問題にするのではなく、むしろ、そこで、感性ということを前に出した、そんなレトリックを感じてしまうのだ。そんな雰囲気が社会にも蔓延している。
もちろん、怒りだとか、悔しさとかの感情は大事だ。だけど、そこから、本質に向かう理論なり、理屈なりが、ある意味、ボクは自分の仕事の生命だと思って仕事をしている。その本質に迫る作業がなあ。そんな違和感をもつ本もあるのだけど。古いのかなあ、ボクは。だけど、それども、ボクは…。
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