なぜペンをとるのか 沖縄の新聞記者たち
9月にMBSが放映したものを、おとといBSで再放送していた。見忘れたんだけど、映像を探して、やっとみたとても良いドキュメントだった。
鋭い論調で日米政府に挑む沖縄の新聞社。
「沖縄の2つの新聞は潰さなあかん」、自民党議員たちの懇談会で人気作家がこう発言した背景には、名護市辺野古の米軍基地建設をめぐる安倍政権の苛立ちが見え隠れする。
権力に噛み付く「紙ハブ」と呼ばれてきた『琉球新報』。いま政権与党から敵視される新聞は、日々どんな思いで、なにを目指して記事を書いているのだろうか…。
今回、番組では『琉球新報』の編集局にカメラを入れ、1か月にわたって取材の様子と紙面づくりまでの動きを追った。眼光鋭い強面記者の集団かと思いきや、そこは笑いが絶えない自由な職場だった。休日は戦跡をめぐり、旧盆はエイサーに参加する記者たち。
ペンを武器にと駆り立てる理由。そこには戦争から今日まで70年間積もってきた沖縄の人々の「思い」に寄り添う記者たちの姿があった。新聞とは、メディアとは、どうあるべきなのか。沖縄の新聞作りから考えてみたい。
(*写真は沖縄戦で多くの住民が犠牲となった洞窟での記者研修のようす)
どこまでも、県民の民意と向き合い、よりそい、辺野古の問題、基地問題によりそう。もちろん、いろいろな注文もあるにしても、やっぱり、その姿には感動する。どんなに政府や権力から、攻撃されても県民とともにあゆむ姿だ。それは、全国紙が失ってしまったもの。MBSの担当した斉加尚代ディレクターは「読者である沖縄の人々に向かい合い、どう伝えていくかという目線で報じていることに強みを感じた。いかに県民に寄り添った報道をしているかを感じ取ってほしい」と話したという。
最後で政治部長が、沖縄戦を語った。沖縄戦から、戦後70年つづく、沖縄の現実。そこで暮らす県民から学ぶというのがこの新聞の精神だということだ。そこで感じ続けている、記者たちの悔しさと、県民の苦難もダブって見える。その思いに、こたえることはボクらにもとめられていることでもあるのだと思った。
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