自民党の60年:自民、単独から連立へ 「政高党低」政権維持、公明頼み
昨日が自民党の結党60年。60年たって、ここまできたのかという感じ。
自民党の60年:自民、単独から連立へ 「政高党低」政権維持、公明頼み(毎日新聞)自民党は15日、結党60年を迎えた。結党時からしばらくは自民党単独政権が続いたが、1993年に下野した後は連立政権が常態化。かつて総裁を生み出す基盤だった党内の派閥は弱体化し、首相官邸の政策決定機能が高まる「政高党低」の傾向が顕著になった。戦後政治史の大半で政権党の座にあった自民党はどう変わり、いかに権力を維持してきたのか。60年の歴史を振り返る。
「政治主導でやりますから、心配はいりません」
9月下旬、公明党幹部に菅義偉官房長官から電話が入った。公明党が主張する2017年4月の消費税率10%引き上げ時の軽減税率導入を告げるものだった。その後、安倍晋三首相は導入に慎重だった自民党税制調査会の野田毅会長を事実上更迭し、新たに税調会長に据えた宮沢洋一前経済産業相に「公明党とよく話をし、軽減税率導入を検討するように」と指示。連立を組む公明党に対する配慮だった。
自民党は結党以来、1993年に下野するまで、同党から分裂して再び合流した新自由クラブとの連立(83〜86年)を除き、単独政権を担ってきた。その間、政策決定の主な舞台となったのは党の政務調査会だった。長期政権の下、同じ部会に属し、担当省庁や業界団体と結びついた「族議員」が台頭。選挙で業界票を頼る一方で、業界の「利益の代弁者」の役割を果たし、政策決定に大きな影響力を持った。党は族議員による利害調整の場となり、党でまとめた政策を政府が実行する「党高政低」の時代が続いた。
しかし、93年の細川非自民内閣以降、与党の組み合わせを変えながら連立政権が続く時代に入る。自民党は94年の社会党、新党さきがけとの連立政権から政権に復帰したが、政権の枠組みは自自(自民、自由)、自自公(自民、自由、公明)、自公保(自民、公明、保守)と変遷していった。
政策決定の構造も変質した。低成長時代に入ると、利益配分型の政治は次第に機能しなくなる。さらに96年の衆院選から小選挙区比例代表並立制に移行したことで、選挙の顔としての首相が重視されるようになり、首相官邸の発言力が増大した。加えて行政改革の一環として官邸機能が強化され、「政高党低」の傾向が強くなった。
こうした変化を背景に政権運営に関与を強めてきたのが99年の自自公政権から連立入りした公明党だ。03年に自公の枠組みに移行。公明党の山口那津男代表は「1党の力で押し切っては連立は維持できない。政策、意見が違うところで合意を作る柔軟性を自民党が持つようになった」と語る。
自民党が国会議員数で7分の1以下の公明党の意向をくんできた背景には、公明党の支持団体、創価学会の組織票への依存がある。公明党幹部は「自民党の支持基盤が弱まり、一定の票が期待できる公明党に頼らざるを得ない」と解説する。だが、連立の理由は単純な集票力だけではない。
自民党単独政権が続いた高度成長期は国内では「豊かな生活」という明確な共通目標があり、国際関係も冷戦下で構図は単純だった。しかし、冷戦が終結し、少子高齢化が進んだ90年代以降、価値観は多様化し、1党だけでは国民のニーズをつかめなくなっている。
世論の反対が強い安全保障関連法を巡って自公の連立は試練を受けた。しかし、「政高党低」が進み、自民党自体の幅の広さが失われつつある今、福祉重視や平和主義など、自民とは異なる政策の幅を持つ公明と組み続けることが、政権を維持するうえで不可欠になっている。……
いま『「戦後保守」は終わったか』なども読んでいる。なるほど、もはやかつての、「中道保守」、国民政党としての自民党の姿はなくなって、かなり偏狭な、右派政党になってしまっているのだけれども。この自民党にたいして、漠然とした不安が広がってはいるのだと思う。だけど、それでも支持率は、高い。ここのあるのが、日本の政治の課題でもあるのだろうけれどなあ。いろいろ、考えないと。
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