国交相、取り消し効力停止を発表 防衛局は辺野古作業再開へ
これも絶対に忘れてはいけないし、忘れない。国交大臣が公明党だということも含め。
国交相、取り消し効力停止を発表 防衛局は辺野古作業再開へ(共同通信)石井啓一国土交通相は27日の記者会見で、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設問題をめぐり、翁長雄志知事が辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した処分の効力を停止すると発表した。防衛省沖縄防衛局は中断していた移設関連作業を再開する方針だ。県側は対抗策として、第三者機関「国地方係争処理委員会」に国交相決定の不服審査を申し出る構え。法廷闘争をにらむ国と県の対立が続きそうだ。
翁長氏は今月13日、埋め立て承認について「瑕疵がある」として取り消した。沖縄防衛局は行政不服審査法に基づく知事の取り消し処分の効力停止と、審査請求を国交相に申し立てた。
法の趣旨を捻じ曲げて解釈し、しかも、これまで裁判で主張していたことと、180度変えた主張に転換する。国民の権利を守る制度を、国が「私人」になりすまして……。
ちなみに行政法研究者94人が以下の声明を発表しているのを記録としてクリップ。
声明 辺野古埋立承認問題における政府の行政不服審査制度の濫用を憂う
2015 年 10 月 23 日
行政法研究者有志一同
周知のように、翁長雄志沖縄県知事は去る 10 月 13 日に、仲井眞弘多前知事が行った辺野古沿岸部への米軍新基地建設のための公有水面埋立承認を取り消した。これに対し、沖縄防衛局は、10 月 14 日に、一般私人と同様の立場において行政不服審査法に基づき国土交通大臣に対し審査請求をするとともに、執行停止措置の申立てをした。この申立てについて、国土交通大臣が近日中に埋立承認取消処分の執行停止を命じることが確実視されている。
しかし、この審査請求は、沖縄防衛局が基地の建設という目的のために申請した埋立承認を取り消したことについて行われたものである。行政処分につき固有の資格において相手方となった場合には、行政主体・行政機関が当該行政処分の審査請求をすることを現行の行政不服審査法は予定しておらず(参照、行審 1 条 1 項)、
かつ、来年に施行される新法は当該処分を明示的に適用除外としている(新行審 7条 2 項)。したがって、この審査請求は不適法であり、執行停止の申立てもまた不適法なものである。
また、沖縄防衛局は、すでに説明したように「一般私人と同様の立場」で審査請求人・執行停止申立人になり、他方では、国土交通大臣が審査庁として執行停止も行おうとしている。これは、一方で国の行政機関である沖縄防衛局が「私人」になりすまし、他方で同じく国の行政機関である国土交通大臣が、この「私人」としての沖縄防衛局の審査請求を受け、恣意的に執行停止・裁決を行おうというものであこのような政府がとっている手法は、国民の権利救済制度である行政不服審査制度を濫用するものであって、じつに不公正であり、法治国家に悖るものといわざるを得ない。
法治国家の理念を実現するために日々教育・研究に従事している私たち行政法研究者にとって、このような事態は極めて憂慮の念に堪えないものである。国土交通大臣においては、今回の沖縄防衛局による執行停止の申立てをただちに却下するとともに、審査請求も却下することを求める。呼びかけ人(50 音順)
岡田正則(早稲田大学教授) 紙野健二(名古屋大学教授)
木佐茂男(九州大学教授) 白藤博行(専修大学教授)
本多滝夫(龍谷大学教授) 山下竜一(北海道大学教授)
亘理格(中央大学教授)
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