若者の貧困・居場所・セカンドチャンス
青砥恭+さいたまユースサポートネット編の本が好評だ。いただいていたんだけど、なかなか紹介するチャンスがなく、しかられていたのだけど、やっと今月に紹介する。この本は、さいたま市を中心に社会に居場所をなかなか見つけられない若者や子どもへの支援活動を展開するNPO法人さいたまユースサポートネットが主催した連続講座やシンポジウムの内容をまとめたもの。もちろん、執筆陣が豪華。稲葉さんや津富宏さん、宮本みち子さん、山野さん、中西新太郎さん、今話題の才門さんまで!
若者の雇用が不安定化し、そして貧困が広がる中で、若者問題ということが言われるようになって、久しいわけだけど、はたして、若者問題はいまどうなっているのか。貧困は深刻化し、問題は複雑化している。若者の「自立」をめぐって、さまざまな困難と課題が山積している。この本は、その支援の現場から議論する。それがなかなか多様だ。貧困、中退、引きこもり、発達障害から、就労の支援、街づくり、少年院出身者の支援などなど。その実態がどうなっているのかという点から、政策の動向と課題も明らかにする。たしかに若者問題の議論は、政策的にも一つの流れをつくった、そしてそのなかでの支援の実践は、「学び直し」「居場所づくり」「就労支援」などの点で目を見張るものがある。そこには、まざすべき社会像も見える。若者自身が、迷いながら、つながり、議論し、歩んでいけるような、そのことを支えるような社会の底上げ。うーん。だけど、だけど、その政策の現状は、日本の場合、あまりにも遅れている。市民レベルの実践のすばらしさに比して、その実践とであえることのできる機会はいかに乏しいのか。それだけに、もっと、広く、大きく議論されるべき問題。そのことを教えているし、その議論の機会となる一冊。不安定を生きる、若者たちが、その責任をおしつけられずい、安心してともに生きれるように、ぜひ多くの人の手に、ということを願いうなあ。
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