作家 山崎豊子 ~戦争と人間を見つめて~
昨日のNスぺ。これはよかった。
作家 山崎豊子
~戦争と人間を見つめて~
戦後の日本社会の暗部をえぐる数々の大作を世に問い、おととし、89歳で亡くなった作家・山崎豊子。山崎が死の床でまで書き続けたのは、戦争を経験した日本人の生き様だった。そして、その重厚な作品世界の土台となったのは、膨大な取材だった。山崎は、誰と向き合い、何を考え、どのように戦争と人間を見つめ続けたのか―。 …
ボクが最初に山崎作品に接したのは、母親に連れられて、「華麗なる一族」という映画をみたときか。それから「運命の人」にいたるまで、いろいろな作品を読んできたし、関連した企画を仕事でやってきたりもした。思い出があるのは、やっぱり「大地の子」か。
いろいろな批判がある。とくに、小説ながらかなり到底されるモデルがいる。フィクションということと、事実との関係ではいろいろなことをいわれてきたし、この問題はいまでもなかなか難しい問題。だけど、それは、実際に社会でおこっていることを小説家が描かなくていいのかという問いでもある。それぐらいいろいろな問題に肉薄してきたし、批判も圧力もおそれない人だった。
それを支えていたのが圧倒的な取材とは言われていた。それはあらためて納得させられた。と、同時に、読者への信頼。自分の書くものが必ず読者をも変えるという信念。
いろいろなことを知る。ずっと不思議だった、「不毛地帯」。モデルは瀬島龍三といわれてきたが、壱岐正の人物像とはだいぶ違う。そこにはもう1人のモデルの存在があったことを知る。
西山さんとの「運命の人」でのやりとりは、圧巻。うん、作者の信念は、たしかに現実をも変えていく。
そして最後の問いかけ。いま山崎さんが生きていたら。何を問いかけたのか。安保法制強行の国会をバックにした問いかけは、たぶん多くの人が、ほんとうにそのことを思ったと思う。
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