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2015/09/23

「基地は自ら差し出したものではない」 知事、沖縄の苦難の歩み切々と

 翁長知事の国連での演説などを、地元紙の記事でクリップしておこう。

「基地は自ら差し出したものではない」 知事、沖縄の苦難の歩み切々と(沖縄タイムス)

 スイス・ジュネーブの国連欧州本部の一角に、「艦砲ぬ喰(く)ぇー残(ぬく)さー」が響き、海上保安官による市民への暴力の映像が流れた。NGO主催の沖縄問題シンポジウムが21日開かれ、琉球処分以来の苦難の歴史、沖縄県名護市辺野古への新基地建設をめぐる現状が報告された。日米両政府による差別的扱いを世界に告発する声が続いた。
翁長雄志知事は人権理事会での声明発表に先立ち、シンポジウムに出席した。時間が2分に限られている声明と違って、15分をかけて琉球処分から説き起こした。
 終始落ち着いた様子で、沖縄戦をめぐっては「県民は人間の醜さを体で感じた」と説明。「沖縄の基地は自ら差し出したものではない」という点には4度言及した。「自己決定権」も数え切れないほど繰り返した。
 「基地問題の真犯人は誰なのか」。沖縄、日本、米国、そして「人類の英知」まで列挙して問い掛けた。「世界中で謎解きをしてもらって、関心を持ってほしい」と締めくくった。
 シンポ主催団体の一つ、「沖縄『建白書』を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」は動画を用意した。キャンプ・シュワブゲート前での県警による市民の強制排除、海上保安官の暴力を示した。参加者は真剣な表情で見入った。
 登壇者は「命どぅ宝」「肝ぐりさん」といったしまくとぅば、空手やエイサーなど独自の文化にも触れた。「反米でも反日でもない。基地をこれ以上造らないでほしい、というのは過大な要求ではない」と訴えた。
 8月に沖縄を訪問した国連人権理事会特別報告者のビクトリア・タウリ・コープス氏もシンポに出席。「沖縄の人々には自己決定権がある。この不正義を正さないといけない」と、援護射撃した。
 海外メディアもシンポを取材した。ジュネーブを拠点にするAP通信の記者は「人権理事会に何を期待するか」と質問、さらに知事の承認取り消しについても触れ、沖縄の正確な情報が伝わっていることをうかがわせた。

 知事が発表した声明は以下。

「辺野古の状況を見てください」国連での沖縄知事声明全文(日本語訳)(沖縄タイムス)  沖縄県の翁長雄志知事は21日午後(日本時間22日未明)、スイス・ジュネーブの国連人権理事会で名護市辺野古への米軍基地建設に反対する声明を発表した。声明は次の通り。

 ありがとうございます、議長。
 私は、日本国沖縄県の知事、翁長雄志です。
 沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見てください。
 沖縄県内の米軍基地は、第二次世界大戦後、米軍に強制接収されて出来た基地です。
 沖縄が自ら望んで土地を提供したものではありません。
 沖縄は日本国土の0.6%の面積しかありませんが、在日米軍専用施設の73.8%が存在しています。
 戦後70年間、いまだ米軍基地から派生する事件・事故や環境問題が県民生活に大きな影響を与え続けています。
 このように沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされています。
 自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるのでしょうか。
 日本政府は、昨年、沖縄で行われた全ての選挙で示された民意を一顧だにせず、美しい海を埋め立てて辺野古新基地建設作業を強行しようとしています。
 私は、あらゆる手段を使って新基地建設を止める覚悟です。
 今日はこのような説明の場が頂けたことを感謝しております。ありがとうございました。

 そして記者会見の記事。

「世界は辺野古注視を」 知事、新基地阻止訴え 国連で会見(琉球新報)

 21日に国連人権理事会で演説し、県民への過重な基地負担の継続と名護市辺野古の新基地建設は人権侵害に当たると訴えた翁長雄志知事は22日、国連訪問日程を終え、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で記者会見した。翁長知事は「小さな沖縄が日米両政府の間で自己決定権のために闘うのは大変困難かもしれない。国連で私どもの状況を伝え、世界の人がこのことを一緒に考えてほしいと訴えた。政府は辺野古の工事を再開した。米国と日本の民主主義を皆さんの目で確認してほしい」と述べ、今後も国内外の世論にも働き掛けて新基地建設を阻止する考えを示すとともに、沖縄の状況を注視するよう求めた。
 翁長知事は人権の観点から新基地建設問題を国連で取り上げたことについて「米軍統治時代は少女暴行や小学校へのジェット機墜落、ひき逃げ死亡事故などがあっても、犯人が米軍人ならば無罪になる時代を過ごした。復帰後もダイオキシンなどの環境汚染があっても私たちの調査権が及ばない。米軍機の飛行も制限できず、人権がないがしろにされている」と述べ、沖縄の歩んだ歴史が背景にあると説明した。
 演説で訴えた県民の自己決定権については日米の間で翻弄され、「自分たちの運命を自分たちで決めることができずに来た」と説明。今回の演説について「こうして私が世界に語ったことは、沖縄県民にとって勇気と自信と誇りになっただろう」と総括した。
 翁長知事は日程が順調に進めば、22日も国連人権理事会の先住民族の権利に関する分科会で講演することを計画していた。発言待機のために時間を費やしたこともあり、海外メディアへの発信を優先するとして記者会見し、その後、帰国の途に着いた。同日の人権理事会での知事の発言枠は、島ぐるみ会議のメンバーが代わって演説した。

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