18歳選挙権で高校教材=模擬投票や請願、体験で-違反事例も、全員配布・文科省
副教材が公表された。
18歳選挙権で高校教材=模擬投票や請願、体験で-違反事例も、全員配布・文科省(時事通信)選挙権年齢の18歳への引き下げを受け、文部科学省は29日、高校生に選挙参加の意義などを教える副教材の内容を公表した。模擬選挙や実際の政治を体験する模擬議会などの授業方法のほか、違反行為の例などを盛り込んだ。約370万部作り、年内にも高校や高専などの全生徒に配布する。
18歳による投票は来年6月の参院選からの見込みで、現在の高校3年は全員、高2も一部が投票可能になる。選挙前に必要な知識を学ぶよう、同省は社会の授業だけでなくホームルームや総合学習でも活用を促す。
副教材は3部構成。「解説編」は現行の選挙制度のほか、投票所の見取り図や候補者に関する情報の集め方などを掲載。議員の1日や議会活動で生活が変わった例を交え、政治が身近に感じられるよう工夫した。若者の投票率低迷には4ページを割き、20代の投票数は60代の3分の1で、実際の人口差以上に声が届きにくい実態などを説明した。
「実践編」は話し合いや討論を通じた民主政治の体験がテーマ。模擬選挙や若者議会、請願などの方法を紹介し、地域の課題や政策比較についての視点を育てる。各地の選挙管理委員会も問い合わせや投票箱貸し出しなどで連携する。
Q&A方式の「参考編」は、高3でも18歳未満の政治活動は禁止されることや、「SNSやブログは可能、電子メールは禁止」「飲食や宿題を代わる見返りの投票依頼は買収」など違反事例を強調。部活帰りの投票の注意点など高校生ならではのケースも想定した。
教師用の指導書では、中立な立場で議論を促すことや、新聞などの教材は複数用いてバランスを取るなどの注意点を挙げた。…
一読すると、思ったほどひどくない? 杉浦さんとか、林さんが制作協力しているし。
副教材のほうは、制度解説と、体験のハウツーが中心だし。問題はむしろこの教材をつかって、どんな教育がなされるのかということ。
言い換えると、そもそもいまの主権者教育や政治教育についての十分な総括的な議論がなされているわけではないし、だから、なされようとしていることの位置づけもとても不明。模擬投票にしても、それそのものは、意味がないとは言わないし、それなりに意義はあるとは思うけど、肝心なのはどう位置づけるのかってことなのでは。それが欠落している感じがする。
一方で、指導書のほうには、わざわざ教育の中立性についての項目まで設けられている。まあ、この範囲では違法にならないということではなるのだろうけれども、だけど、こういう強調が自粛をうんできたわけだし。
そもそも、全体をとおして、これって高校生の権利の制限になるのではという記述があることは注意したい。69年通知そのものは変えるというわけだけど、それでほんとうに、変わるのか? 結局は、同じ視点が貫かれるのではないのか、このあたりはよく見ておく必要がありそう。だと。結局、高校生を主権者に、高校生が権利をみにつける、そういう視点がやっぱり欠落しているのだと思うのだけど。
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