「戦争」の終わらせ方
原田さんの本、さすがに面白い! というか、まえがきに「私たちは第二次世界大戦もその後の戦争もまだ終わらせていないのではないか。それは『戦争の終わらせ方』を歴史的に把握していないからではないのか」と記しているけど、その問題設定がなんとも、ヒットしている。それが、現在、この国の為政者が戦争に向き合わえない最大の要因となっているという問題意識だ。
日清戦争を契機とした東アジアへの「50年」にわたる侵略と植民地支配、おれは朝鮮半島の支配と、また中国への侵略のはじまりである。そのことへの認識は日本ではすごく弱い。そのことをあたりまえのように推進した政治のありようは、あまりしられていない義和団「戦争」にも顕著にあらわれているのだが、義和団事件を「戦争」ととらえ、その内実を学ぶことなど、まったくないといっていいほど日本人からは欠落してしまっている。
さらに、朝鮮戦争・ベトナム戦争という「戦後における戦争」についても、日本は参戦していたに等しいと論じていることも注目。アメリカの従属の下で、アジアにどのように対していたのか、その戦後政治のあり方を問う。
あさに、安倍首相の「戦後70年談話」の問題性が本書を読めばいっそう明白になる一冊。日本とアジアの関係を根底から考えさせられる。
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