目立つ間接的表現、見えにくい首相の考え 安倍談話
戦後70年首相談話。うーん。醜い。
目立つ間接的表現、見えにくい首相の考え 安倍談話(朝日新聞)安倍内閣は14日、戦後70年の首相談話(安倍談話)を閣議決定した。戦後50年の村山談話、60年の小泉談話に盛り込まれた「植民地支配」「痛切な反省」「侵略」「心からのおわび」といった文言を使う一方で、歴代内閣の方針を引用するなど間接的な表現が目立ち、首相自身の考えは見えにくい内容となった。
安倍晋三首相は閣議後、首相官邸で記者会見して談話を発表した。談話では1931年の満州事変や33年の日本の国際連盟脱退に触れ、「(日本は)進むべき針路を誤り、戦争への道を進んでいった」と指摘。「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に決別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。先の大戦への深い悔悟の念とともに、我が国はそう誓った」と表明した。
また「我が国は先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた」と村山・小泉両談話にある表現を引用。その上で「こうした歴代内閣の立場は、今後も揺るぎないものである」とした。…
歴史的な事実からも、国際社会の状況からも、そして世論からも、村山談話の継承は絶対で、おわびや反省を入れなければいけない。村山談話の作成過程からいってもその明白な逸脱は、政治的に困難という実情がある。それはある意味で、世論が追い込んだ面はあるとは思う。
だけど、それでも、安倍さんは自分の歴史観を入れようとする。読んでみると韓国・朝鮮、台湾における植民地支配についての言及を避ける。日露戦争は植民地主義へのアジアからの反撃といわんばかりだが、そのときに韓国や台湾の植民地化がすすめられたのに。さらにアジア・太平洋戦争を欧米との戦争に矮小化し、侵略戦争であったことを曖昧化する。しかし、侵略やお詫びに言及するために、かえって歴史の描き方がねじれて、ゆがんだものであることがめだったことになる。非常に醜い談話になっている。総じて、全体的に主語も不明確で、あいまい。
それに侵略の被害への言及はとても、あいまい。まるで、一般的な植民地主義の犠牲だと。ことさら捕虜の問題が強調される。捕虜には少額でも個人補償を行ってきた。寛容を言うのなら、アジアの被害者への補償を考えるべき。そして。後半の戦後の歩みは現状を肯定するのみで、さらに安部流積極的平和主義の強調へ続く。うーん。やっぱりかあ。
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