生きづらい時代と自己肯定感 「自分が自分であって大丈夫」って?
長年、登校拒否・不登校の子どもたちと向き合ってきた著者のキーワードは「自己肯定感」。「自分が自分であって大丈夫」という意味だと著者は言う。これがなかなか難しい。なにかしらのものさしをあてはめての自分を好き、嫌うということとどこがちがうのか。著者は、この言葉を使うようになった心理臨床家としての自身の来歴をたどりながら、「セルフエスティーム」だとか、「自己愛」ということとの違いをたどります。考察は、さらにオウム真理教における「自己絶対化」やナショナリズムにもおよびます。また、現在のSNS依存など社会現象も考えていきます。そうしたなかで、この言葉を理解するうえで、宇宙的な存在としての〈いのち〉ということと社会的存在としての〈自我〉の二つの関連を考えることが大事というところにたどりつきます。人間の存在丸ごとを肯定するために必要な考えをみごとに綴っています。
と、公式的な感想。だけど、それを引き受けるのは、わかったようつもりでも、実は、よくわかっていないということになる話。結構、ボク的には苦しい。実際には、いろいろなことが自分にからまっていて、自我を相対化することがとっても難しい。いろいろな、自分ではすぐにはどうにもならない困難を抱えながら、この「自己肯定感」をめぐって、いろいろ葛藤したり、あきらめたりする日々ではあるのだけどなあ。それで、自分が情けなくなるのでは、ほんとうに自分は何もわかっていないなあとなってしまったりねえ。
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