「歴史忘れないで」=花岡事件生存者の張さん
6月30日のかかわる話題を2つ。まずは花岡事件。大戦末期に秋田県大館市の花岡鉱山で、強制連行された中国人が一斉蜂起し、多数が死亡した花岡事件から70年。慰霊祭がおこなわれた。
「歴史忘れないで」=花岡事件生存者の張さん(時事通信)花岡事件の生存者で唯一、30日の慰霊式に参列した張広勲さん(87)は、抗日の民兵組織への参加中に日本軍に捕まり、1944年、鹿島組(現・鹿島)花岡出張所に強制連行された。「当時の歴史を忘れてほしくないという思いで、証言を続けている。戦争は二度と起こってほしくない」と訴える。
張さんは、後に花岡事件を指揮した中国人大隊長の耿諄さん(2012年、97歳で死去)の身辺の世話係を務めていた。「ろくな食事を与えられず、いつも空腹だった。衣服の配給がなく、ぼろぼろになった服では寒さに耐えられず、セメント袋を身体に巻き付けていた」と当時を振り返る。
蜂起については直前まで知らされず、耿さんの命令で仲間と山中に逃げた。「死ぬならそれでいい」という思いだった。結局、日本人に見つかり、「棒で殴られながら、追われる羊の群れのように山を下りた」。その後、3日間にわたり広場にひざまずかされ、殴られた。石やコンクリート片が食い込み、脚の感覚はなくなっていたという。
終戦を知ったのは45年秋。帰国して家族との再会を果たしたが、同居していた祖母と叔父は連行中に亡くなっていた。「この時期を迎えると毎年、気持ちが沈む」。70年を経ても、事件の傷は癒えない。
この事件についても、どこまで被害と誠実に向き合ったのかについては、いろいろあるところだけれども、だけど、いろいろあっても、この強制連行、強制労働という加害の事実は、覆い隠しようのないもの。現地ではきちんと歴史の事実は共有され、継承されている。ボクらには、この傷みにしっかり向き合い、それを伝えていく責務があることを痛感させられる。
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