下流老人 一億総老後崩壊の衝撃
最近、にわかに売れっ子になっている藤田さんの新著は衝撃的。そのタイトルはいささか刺激的でショッキングだけど、真正面から問題提起をしようという思いの表れとも言える。日本に「下流老人」が大量に生まれていて、おそらく、近い未来、日本の高齢者の9割が下流化するという問題提起。ここで言う、下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」だとしている。現在すでに約600万人が一人暮らし、うち半数は生活保護レベルの暮らしをしているそうだ。その実態を数字の面でも、相談活動尾の現場からみえる事例の面でも明らかにする。その背景にある日本の老後の実態を分析する。そして未来を予測する。こうした「老後総崩壊」に、どう対処すればいいのか? もちろん自衛策についての提案もあるが、何よりも著者の指摘は、社会構造の問題、若者の雇用の崩壊に注目しつつ、同時に、再分配のうえでの問題、社会保障や社会福祉の問題にせまる。ソーシャルアクションこそ大事という、ソーシャルワーカーとしての著者の真骨頂だということも言える。
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