戦後70年 ニッポンの肖像 -世界の中で- 第1回 信頼回復への道
うーん、このシリーズ。どうしちゃったのだろう。
1951年サンフランシスコ講和会議で国際社会に復帰した日本。戦争で被害を与えた国々との信頼回復はどのように実現したのか。 アジア外交を積極的に進めた岸信介首相は、インドネシアではスカルノ大統領とのトップ会談で賠償協定に調印。役務賠償によってインフラを整備し、日本経済はアジア市場に進出をはじめる。日韓会談は13年の歳月を要したが、岸とパク・チョンヒ大統領が会談、1965年の日韓基本条約は経済協力という形で決着。これによって韓国はハンガン(漢江)の奇跡と呼ばれる経済成長の足がかりを得た。日本はこの条約で請求権の問題は解決済みとした。 80年代に入り、アジア諸国で民主化が進むと、個人補償を求める声が高まったが、日本は、河野談話、村山談話や「アジア女性基金」によって謝罪と償いを行った。特にオランダでは、平和友好交流事業が受け入れられていく。また、インドネシアではODA等を通じて緊密な経済関係を築いていった。 信頼回復への道を最新の資料と証言で明らかにする。
講和と賠償を描く。いわゆる「寛大な講和」だ。そこで、アジアに対してとられたのが、経済協力方式だ。賠償を商売へということが描かれる。だけど、それが、日本の侵略と植民地支配への反省をすすめていくうえで、どのような問題を残したのか、その批判的な視点はほとんど描かれていない。
そしてアジアの民主化のなかで、おこなわれた個人賠償の請求。「慰安婦」問題など。だけど、この描き方はあまりにも大まかで不正確。アジア女性基金に至っては、こういう描き方では問題はほとんど伝わらないのではないか。国と民間の出資による償い。だけど、それでは、事実をねじ曲げることになる。実際のやり方にはあまりにも問題があったのではないのか。ここからは、なぜこの問題が解決していないのかは伝わらない。
最後に和解のとりくみでオランダをあげる。これも、不正確。そもそも、ヨーロッパ諸国の個人に対しては、額が少なく、その後訴訟になっているといっても、個人賠償はおこなわれていることなどはまったくふれられていない。問題の本質がこれでは伝わらないのだ。
そもそも、かかえている日本の歴史認識の問題に対する問いかけは、まったくといっていいほどない。基本的に、日本の外交を大筋評価し、さらなる未来志向の外交をめざすというスタンスだ。安倍さんのスタンスを追認するつもりなのだろうか?
制作統括が、塩田純さんだった。この人、こんな番組をつくる人だったの。やっぱり、NHKはおかしいと思うのだけど。
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