第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方について(審議まとめ)
いろいろ話題になっているけれども、HPにアップされたので、クリップ。
第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方について(審議まとめ)(平成27年6月15日)のポイント【国立大学法人】第3期(H28年度~)には、各国立大学が形成する強み・特色を最大限にいかし、自ら改善・発展する仕組みを構築することにより、持続的な「競争力」を持ち、高い付加価値を生み出す
・第3期の国立大学法人運営費交付金の在り方運営費交付金は、国立大学法人が安定的・持続的に教育研究活動を行うために必要不可欠な経費
・各国立大学法人が自らの努力で増収を図った場合に、運営費交付金を減額しないという従来の取扱いは踏襲
・各国立大学法人のビジョンに基づき、機能強化を迅速に実現
・各国立大学法人の規模、分野、ミッション、財務構造等を踏まえ、きめ細かな配分方法を実現するとともに、透明性を向上
◆第3期中期目標・中期計画との関係について
各大学の機能強化の方向性に応じた重点支援を受ける取組構想は、中期目標・中期計画に記載され、中期計画に書き込まれるべき指標が取組構想の評価指標を踏まえて設定されることが想定
◆競争的研究費との一体改革
運営費交付金の改革及び競争的研究費の改革は、それぞれの改革があいまって一体的な改革として相乗効果を生むことが期待
◆財源の多元化や自律的な運営を図るための今後の検討課題
寄附の拡大に向けた取組、自律的な運営を図るための規制緩和等については、今後検討改善点Ⅰ 機能強化の方向性等に応じた重点配分
■国立大学の多様な役割や求められている期待に応える点を総合的に勘案し、機能強化の方向性に応じた取組をきめ細かく支援するため、予算上、三つの重点支援の枠組みを新設
重点支援①主として、地域に貢献する取組とともに、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援
重点支援②主として、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で地域というより世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援
重点支援③主として、卓越した成果を創出している海外大学と伍して、全学的に卓越した教育研究、社会実装を推進する取組を中核とする国立大学を支援
※ このほか、国立大学に共通する政策課題に対し重点支援
■三つの枠組みから大学が自ら一つ選択し、取組構想を提案。その際、測定可能な評価指標(KPI)等を設定。その後、有識者の意見を踏まえて支援する取組を選定
■基本的に中期目標期間を通じて支援を実施。原則、年度ごとに取組構想の進捗状況を確認するとともに、評価指標を用いて向上度を評価し予算に反映
■優れた取組については、支援終了後運営費交付金の配分に一定の加算改善点Ⅱ 学長の裁量による経費(仮称)の区分
■学長のリーダーシップを予算面で発揮し、組織の自己変革や新陳代謝を進めるため、教育研究組織や学内資源配分等の見直しを促進する仕組みとして「学長の裁量による経費」を区分
■文部科学省が、中期目標期間中の経費の規模を算出し、各国立大学に提示。提示した規模以上の規模で各国立大学が取組を実施
■有識者の意見を踏まえつつ、この経費を活用した業務運営の改善の実績や教育研究活動等の状況を3年目・5年目に確認。その結果に応じて改善の促進や予算配分に反映
これが第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方について審議まとめ
昨日の新聞に、京都大の山極寿一総長は17日、「京大にとって人文社会系は重要だ」と述べ、廃止や規模縮小には否定的な考えを示したという記事。文科省は通達で、2016年度から始まる国立大学の中期目標の策定に関する内容で8日に送られた。教員養成系や人文社会系の学部・大学院について、18歳人口の減少や人材需要などを踏まえ、「組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めること」としているが、山極総長は「幅広い教養と専門知識を備えた人材を育てるためには人文社会系を失ってはならない。(下村博文文科相が要請した)国旗掲揚と国歌斉唱なども含め、大学の自治と学問の自由を守ることを前提に考える」と。山極先生がんばれ。
お金で首根っこをおさえられた大学が、どのように立ち向かうのか。正念場である。
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