二〇世紀の歴史
去年の秋に出た、木畑さんの岩波新書。これはおもしろかったし、刺激的だった。簡単に言うと、20世紀を帝国の支配の解体過程ととらえる。植民地の解体に象徴される。それは、20世紀は、人と人が差別されて、支配と被支配の関係が世界を覆い、その構造の下で二つの世界大戦を頂点として暴力が偏在していた時代だと。
19世紀の前史、支配‐被支配関係の広がり―帝国主義の時代の幕開けから、帝国世界動揺の開始―第一次世界大戦とその後、総力戦の展開やその動揺と再編のなかで、民族自決が主張される。帝国世界再編をめぐる攻防―世界恐慌から第二次世界大戦へ、ここから帝国世界の解体―第二次世界大戦後の時代、脱植民地化の進展へと向かう。「社会主義」の解体も含め、大きな歴史の変化に確信がもている。読んでいて、わくわくさせられた。ただ、現状をどう見るか。今のアメリカをどうみるか。もちろん、大きな流れとしては解体に向かっているのは間違いないとは思うけど、それだけではなかなかとらえきれない面もあるような…。
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