知っていますか? 日本の戦争
久保田さんの新著。とっても面白く、役立つ。この間、若者の保守化だとかがよく問題になる。保守化したかどうかでもいろいろな議論があるが、少なくとも、戦争認識という点では、考えなければならない数字も出ている。その背景についても、いろいろな議論がある。孤立する若者の現状と困難などなど。だけど、そういう点に注目しながらも、若者自身に、戦争というものがどういうものであったのかということが十分に継承されていない、戦争についての事実が教えられていないという現実がある。事実をしらずして、認識は広がらない。久保田さんは、ここに注目をする。ボクは、若者も含め、いまの日本の人たちの平和意識は根強いものがあると思う。だけど、そういう事実をきちんと伝え、知るこということが十分でないため、認識という点では、さまざまなねじれが生じていると思う。だから久保田さんの指摘はとても重要だ。
では、どう戦争を伝えていくのか。久保田さんは、いくつかのことをこの本にこめている。たとえば、ふんだんに、それも著者自身がとった写真をつかって、語る。それはやはり現場で、身近なものとして感じてほしいというフィールドワークのすすめである。若者に即していえば、実感してもらうことを重視をする。
日本人の被害というものも、ていねいに紹介し、それを切り口にする。加害の責任がどうしても、歴史認識にかかわっては焦点になるのだけど、若者に戦争を実感してもらうためにも、一方で、その裏側には、日本人そのものに対しても、その人権を人権とみなさない、軍国主義の非道さがあったということも。
しかし、あらためて、この本で、その加害の甚大さというものに向き合わされる。日本がおこなった戦争というものが、どういうものであったのか、そのことも正面から考えさせられるし、それがなぜおこったのか、その責任を根本から問いかけてもいるのであるのだ。
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