中学教科書検定 「集団自決」強制性、明記ゼロ
このこともまた強く沖縄の怒りをよぶことになる。
中学教科書検定 「集団自決」強制性、明記ゼロ(琉球新報)文部科学省は6日、2016年度から中学校で使用する教科書の検定結果を公表した。沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)を8社中7社が記述したが、教育出版が自主的に、集団自決を「強いられた」から「追い込まれた」に変更したため、強制性を明記した出版社がなくなった。日本軍の関与については各社とも「追い込まれた」との表現にとどまった。そのほか沖縄戦に関して、自由社の「日本軍と沖縄住民はよく戦った」との記述に対し、「非戦闘要員が戦闘行為に参加したと誤解するおそれがある」との検定意見が付き「沖縄住民もよく協力した」に変更された。
自由社の修正後の記述については、県民自ら進んで戦争に協力したかのようにも読みとれる表現になっており、沖縄戦体験者らは「協力ではなく『協力させられた』、もしくは『強制的に動員させられた』のが実態だ」と指摘している。
中学教科書では、06年度の高校歴史教科書検定で軍強制削除の検定意見が出る前から、軍命を明記している社はなかったが、今回も軍命を明記した社はなかった。「集団自決」を現行本で記述していた自由社は、今回は記述しなかった。「集団自決」に対する検定意見もなかった。また、「強制集団死」という表記をしている社もない。…
沖縄の体験を、無視するかのような記述が、結局は自主規制という形ですすんでしまったということか。ちょうど沖縄戦から70年を迎える今、これが日本の教育の実態か。おどろくべきこと。
大城将保さんの『沖縄戦の真実と歪曲』という本のなかに、30もの「集団自決」の実例がのせられている。その多くが手榴弾によるものだし、それは当然配布されたものである。そして、この「集団自決」と表裏一体の関係にある、日本軍による虐殺事件は46の事例が載せられている。それが沖縄でおこったことなのに。
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