届けたい、面白い歴史教科書 教員らの「学び舎」、検定合格
大事なとりくみを氏岡さんが紹介している記事。
届けたい、面白い歴史教科書 教員らの「学び舎」、検定合格(朝日新聞)生徒が「これ、何」「なんで」と身を乗り出す教科書を。そう考えた現役教員やOB・OG30人余りが中学の歴史教科書をつくり、検定に合格した。途中、ダメ出しされたのは400件近く。現場の先生から見た教科書とは。初めての検定はどうだったのか。
■子どものため、OBやOGも
「ほっとしました」「やった」。合格の報を受け、執筆した教員らから笑みがこぼれた。6年越しの努力が実った瞬間だった。
現場の教員で教科書をつくる。そんな話し合いが、都内の社会科教員有志の研究サークルで始まったのは2009年秋だった。
これまでの教科書は、重要な語句を太字にし暗記させるスタイルだ。「それでは生徒が乗ってこない」「子どもがページをめくり、次も読みたくなる本がぜひほしい」。話が膨らんだ。「教えやすい教科書ではなく、子どものための本をつくる。それが出発点だった」。会の代表で元中学校教員の安井俊夫さん(80)は振り返る。
翌年、「子どもと学ぶ歴史教科書の会」を18人で結成。よその地域や他の研究会の教員にも声をかけ、書き始めた。
普通の本なら書いて出版すればいい。だが教科書は違う。国が定める学習指導要領に則し、教科書検定をパスしなければならない。
それぞれが手応えのある授業をもとに原稿を書き、検討会で吟味。お金を出し合って出版社もつくり、「学び舎(しゃ)」と名付けた。教科書を文部科学省に提出したのは、昨年5月だった。…
ボクの知り合いもこのとりくみにかかわった。ほんとうに苦労したみたい。
会のHPはこれ。
教科書は、教科書を教えるのではなく、教科書で教えるものということもよく言われる。大事なのは教師が何を道:教えるかだけど、その教師の取り組みを支えるのが教科書であるのも事実だし、なによりも子どもたちにとっては、ほんとうに大きな意味をもつ一冊だ。それだけに、会の趣意書には次のようにある。
子どもの側に立って、子どもの目を意識しながら、中学生向けの歴史教科書をつくりたい。 それは子ども側から言えば、 ・あるページを見ていたら、次のぺ―ジもめくってみたくなる。つづきを読んでみたくなる。 ・そこで何か感じるものに出会う。問いや疑問がわいてくる。 などの反応が見られるものです。自分から教科書のページに何らかの関わりを持ち、歴史学習へのささやかな一歩となるものでしょう。何をどのように描けば、そういう教科書ができあがるのでしょうか。 いままでの歴史の教科書には、①歴史発展の筋道―歴史の流れ、②それを語るために必要な歴史事実―いわゆる重要事項が記述されています。それは重視されるべきことでしょう。でも子ども側からそれらを見ると、学んでから時間がしばらく経ったあとには、単に文字の羅列となったり、言葉としてのみ残っている、ということになりかねません。 つまり歴史の教科書は、子どもがそれをどう学ぶのか、子どもが学ぼうとする筋道を想定したものなのかが問われているのです。確かに教師は発展の筋道―歴史の流れへ目を向けたいのですが、子どもの側は、それ以前のところ―歴史事実の具体的な場面で立ち止まり、何らかの問いを発しようとしているはずです。 だとすれば、まず教科書は、子どもからそのような問いが発せられるような歴史事実を描くものであるべきでしょう。他方、教師側から言えば、子どもの声をぜひ聞いてみたい、どんな反応を示すだろうかと、期待感のもてる歴史事実だと言えます。そのような教科書であれば、教師側からどう問いかけるかなど、授業構想イメージできる教科書になるでしょう。 歴史を学ぶことは、それによって学習者が現在という地点に立つことが期待されます。現在の課題となっていることに目を向け、自ら向き合っていこうとする主権者の姿を想定することもできます。しかしそれは、歴史事実を文字や言葉の羅列として、記憶したことによって可能となるものではないでしょう。歴史事実に対して、問いを発したり、問いかけられたりしながら、自らそこに関わっていくからこそ可能となるはずです。 歴史教科書が、記憶すべき歴史事実の集成として子どもの前に存在するのではなく、子どもからページをめくり、自ら関わっていくものとして机上に置かれている。そんな情景をぜひつくり出したいと思います。
ボクも読んでみたいなあ。早く。
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