ひきこもる人と歩む
うちも結構、いろいろ大変なので、身につまされながら読む。だけど、政府の統計でも、ひきこもる人は約70万人とされている(15~35歳、2010年)。その家族は200万人以上といわれている。でも実態は、四〇代、五〇代を迎えた人たちも少なくないわけで、その数はそうとうなものになっているし、自分の問題だけではなく、まわりでもいろいろな話を聞く。そのぐらい大きな社会問題であるはずだ。だけど、現実には、家族のなかに沈殿してしまう。
本書は第一部で、さまざまなケースにわたる家族の手記が掲載されている。迷いや葛藤から、親として、人としての自身の成長が語られる。ここはやっぱり身につまされる。いろいろ考えたり、反省させられたり、悩んだり。やっぱり自分も成長しなければならないとも思う。
第二部は、支援者から。カウンセリング、発達障害、ソーシャルワーク、就労支援、そして精神科医という多彩な専門家の手によるアドバイスは、その多様な実態にこたえるものになっている。高垣さんの競争社会のなかでの苦しみの話からはじまって…。そこで紹介される事例からは、その人が人として尊重される社会全体のあり方も問いかけれれる。
読んでいてホッとできると同時に、どう向き合っていくをともに考えることができる一冊となっている。
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さまざまなケースにわたる家族の手記が掲載されている。迷いや葛藤から、親として、人としての自身の成長が語られる。ここはやっぱり身につまされる。いろいろ考えたり、反省させられたり、悩んだり。やっぱり自分も成長しなければならないとも思う。
ということが主訴なのだとすれば、キャリアコンサルティングに置き換えれば、「キャリアというのは相談者個人と、個人を取り巻く環境(地域、組織、家族をはじめとする様々な人間関係やシステム等)との相互作用によって培われたものでもあるということを十分に認識する必要があり、相談者個人が自ら解決すべき課題が、こうした環境がもたらせた問題である場合には、相談者個人に対する支援だけではなく、相談者を取り巻く環境を自ら改善していく活動も必要とされている」ということもキャリアコンサルタント行動原則の一つと見れば、こうした引きこもりという問題にしても、引きこもる本人や家族だけの問題ではなく、社会全体としての問題として見る必要があるということは、言うまでもなく、
「支援者から。カウンセリング、発達障害、ソーシャルワーク、就労支援、そして精神科医という多彩な専門家の手によるアドバイスは、その多様な実態にこたえるものになっている。高垣さんの競争社会のなかでの苦しみの話からはじまって…。そこで紹介される事例からは、その人が人として尊重される社会全体のあり方も問いかけれれる。」
ということが、キャリアコンサルタントから見た、この日本社会全体に対する本質的な見立てであり、私たち日本人が自ら解決すべき課題であるという認識を持つ必要があることは言うまでもありませんが、これをこうした引きこもる個人や家族の自己責任なのだということこそが、阻害要因とみれば、この阻害要因の根本的原因というものこそ、私たち日本人にとっての極めて重大な構造的欠陥というものにたどり着いてしまうとすれば、これを自ら克服することで、こうした相談者にしてみれば、今までの人生を振り返りながら、こうした環境による悪影響を、悔い改め、これを良い影響を齎すものに変化させるための気づきを与えることにより、相談者自らが、「どうすれば幸せに暮らすことが出来るのか」ということを長期的な目標として共有しながら、こうした人たちと連携することで、日常生活環境に関わることであれば、ソーシャルスキルトレーニングなどによる社会的学習理論に基づく行動学習などに繋がる動機付けや認知行動療法などに繋げながら、個人の自己理解ならびに環境的理解や仕事理解を通じて、自らの方向性や戦略を、職業人生計画やライフキャリアプランとして描きながら、キャリア発達やキャリア開発を通じて、職場定着や職場環境の改善に繋がるように、自立・自律していくことが出来る様に、暖かく見守り、寄り添っていくための社会的サポート資源の役割を担うことこそが何より必要なことかも知れませんね。
投稿: asa | 2015/03/30 13:34