LIVE!LOVE!SING! ~生きて愛して歌うこと
ちょっと仕事上の必要性もあって、少し遅れてこのドラマを見た。演出の井上剛、そして音楽の大友良英は、阪神・淡路大震災のその後を描いた『その街の子ども』。そしてそして『あまちゃん』だ。二十年前の阪神・淡路大震災の被災地となった神戸と原発事故の被災地となった福島を結ぶロードムービーのようなタッチだ。見ていて、『その街の子ども』と重なってくる。
主人公の女子高校生は福島県冨波町という架空の町の出身、原発事故によって神戸の親戚の家に身を寄せている。高校生活の記念として合唱部で「しあわせ運べるように」を歌うことが提案される。この曲は、「震災に負けない歌」「傷ついたふるさとを元の姿に戻そう」という歌詞を。「福島の被害は神戸みたいにちょろくない」と反発し、家出する主人公。後を必死で追う恋人の教師、福島の同級生たちも合流し、小学校のころに埋めたタイムカプセルを掘り返しに、立入制限地域に足を踏み入れる……。
見ていて、胸がつまる。地震の瞬間のまま時が止まったような無人の商店街、点滅の信号だけが灯っている夜の大通り、漁船が打ち上げられた浜辺、がれきが残されたままの家屋……。
そして、登場人物一人一人が抱える傷も明らかにされる。軽快なタッチで進行するが、とてつもなく重いストーリー。「放射能はないつもり 地震も津波もないつもり 日本は一つであるつもり……」と歌われる挿入歌があまりにも皮肉。だけど、しかも、答えはどこにもない。ただ前を向いて生きることにしか答えはない。
うーん、とっても心に残るドラマ。たしかにNHKはいいドラマをつくるなあ。参った。
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