内側から見たテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造
敬愛する水島さんの本をやっと読んだ。すごく面白かった。だけど、後で言う引っかかりが読後感としてはある。だけどだけど、それは、どこまで自覚してのことかはわからないけど、ある意味で意図したもの。政治的な立場や、考え方の違いを超えて、視聴者も、テレビにたずさわる人間も感じている違和感を、可視化し、つなぎあわせ、共有化しようというもの。そのぐらいいまのテレビは、人権というもの、大切なものを見失ってつくられ、大切なことが報道されない、そして、やらせやねつ造、情報操作が繰り返される。いったい現場で何がおこっているのか、どうして現場でそんなことがおこるのか、作り手の立場で明らかにしてくれる。表だった介入もあるが、それ以上にすすむ現場の退廃にみずからが落ち込んでいく。違和感の正体を示してくれるのだ。
だけど、なぜそうなるのか。その構造には、せまってくれないもどかしさを感じるのも事実。ほんとにもどかしい。だけど、水島さんはそんなことより、違和感の掘り下げを共有することこそが、テレビの明日への希望をつくるというのだと思う。その意図はほんとうによくわかるのだ。
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