講義は中学レベル、入試は「同意」で合格 文科省がダメ出しした“仰天大学”とは?
うーん。実態は深刻だけど、文科省にこう言われてもなあ。
講義は中学レベル、入試は「同意」で合格 文科省がダメ出しした“仰天大学”とは?(ライブドアニュース)「数学の授業は四捨五入から」「受験生と大学の『同意』で合格」「新入生が一人もいない」――。新設の大学や学部でこんな事例が相次ぎ、文部科学省が改善指導に乗り出しました。若者の減少とキャンパスの新増設で「大学全入」とも言われる時代。とりわけ知名度の低い地方大学で、教育の質の低下が懸念されています。
百分率や小数が分からない大学生?
文科省は今月19日、講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を公表しました。新設された大学や学部を昨年度から調べており、対象となった502校の約半数に問題が。多くは学生の定員割れや、教職員の高齢化などでしたが、大学としての“適格性”が問われそうなものも少なくありませんでした。
千葉科学大(千葉県銚子市)は、一部の講義で“レベルの低さ”が問題視されました。たとえば「英語1」の講義。同大のシラバス(講義計画)によると、冒頭から「be動詞」「過去形」「進行形」と、中学校レベルの内容が並びます。「基礎数学」の講義でも、割合(百分率)や小数、四捨五入とは何か、から教え始めます。
つくば国際大(茨城県土浦市)でも、「化学」の講義が元素や周期表の説明から始まったり、「生物学」では光合成やメンデルの遺伝法則を一から学ばせたり。
こうした実態について文科省の調査は「大学教育水準とは見受けられない」と指摘しており、改善を求めています。開設以来、学生ゼロも
一方、入試を巡って、受け入れ数や選考基準が不明確だったりするケースも調査で明らかになりました。
太成学院大(大阪府堺市)では、書類と面接で合否を決める「アグリーメント入試」を実施しており、選考基準について「学生と大学が同意に達したら入学を許可する」と説明してきました。
しかし、文科省の調査は「同意以外の判断基準が明示されておらず、どのように合否を決定しているか不明」として、見直しを求めています。
北翔大(北海道江別市)では、大学院の募集要項に「可能な限り受け入れる」との表現があり、適切な選抜が行われていない印象を与えると指摘されました。
同大総務部によると、試験には論文と面接があり、「適正に競争原理に基づいて選抜している」とのこと。ただ、受験者には社会人が多く、合格しても入学を辞退する人が多いため、できるだけ志願者を集めたかった、と説明しています。…
いわゆる設置審のアフターケア。つまり設置審を通過して、つくられた大学の監督下にある一回り(4年)以降の大学を調査したもの。4年前の大学も含めればいろいろでてきそう。先エントリーの定員の問題の背景がこの調査なんでしょうね。
だけど、記事にある多くの大学はむしろユニバーサル時代に大学の学生生活の場になっているところ。教育内容そのものに問題がないとはいわないけれども、むしろ多くの矛盾は、その前の段階にある(小中高)というのも事実。そこで、いろいろな課題を背負って大学に入ってくるのだから、その学生が育っていくためには、学び直しというものも必要なわけで、ひろく考えればそういう課題は東大だってある。そのことに気づいて、とりくんでいることそのものは、ある意味で重要なはずだけど。
第一、調査結果をみていると、日頃の文科省の指導の結果、そうなっているケースも結構あるような感じもするのだけどなあ。
そもそもの大学教育のあり方そのものが問われているのに、こんな指摘をしてもちょっとはじまらない気がする。というか、だいぶずれている。このずれているという、そこにこそいまの大学教育の危機がある気がするんだけどなあ。
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