「立憲主義の破壊」に抗う
もう刊行から半年もたつのかと考えるとほんとに時のたつのが早いもの。イラク派兵訴訟の名古屋高裁の違憲判決を勝ち取った弁護団の事務局長として有名だけど。集団的自衛権の問題を考えるとき、イラクやアフガニスタンでの戦争、武力行使に自衛隊が参加するということを意味するわけだから、あの戦争がどんな戦争であったのかを考えることが重要。裁判の判決なども使いながら、まずもってそのことを明らかにする。実は、すでに戦闘と一体の行動に自衛隊は参加をしていたわけである。
議論はシャープ。ただ彼の立場は、自衛隊がいってみれば合憲であり、存在することを前提としている。これまでの政府解釈の立場から現在の問題を批判する。そういう意味ではボクの立場とは違うのだけど(この本が新日本から出ているのにちょっと驚いたり―(笑)。○○○○出版ポイ?)、はっきりとしたその議論は正直、読んでいて気持ちいいし、そういういわゆる「立憲主義を守れ」的な共闘の重要性をうきぼりにする。彼も生まれたときから自衛隊が存在し、そして、政治に関心をもったころは自衛隊が海外にでかける時期でもある。だから、そうなんだけど実際にこういう切り口は、立場の是非は別として、よくまなばなければならないことだと思う。だけど、そういう議論を支えているのは、彼のような議論の立場から、憲法の平和主義をいかに強く打ち出すのかという熱い思いがあるということ。そのことは共闘の軸にすえていくうえでもとっても大事な思いだとも思う。手軽に読めて、役に立つし、議論の材料になる本でもあるのだ。
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