翼は心につけて
BSでやっていた古い映画。しかもほとんど見ることのないBS11。ボクが大学生のころの映画だ。当時の民主団体が応援してつくられた映画で、当時はものすごく話題になった映画でもある。だけど、ボクは見ていなかった。
ストーリーは、「鈴木亜里、十五歳。共働きの両親、弟と団地に住む平凡な女の子。ある日、テニスの練習中、突然襲った激痛にラケットを落とす亜里。検査の結果骨肉腫とわかり、医師から他への転移をふせぐため、右腕の切断の同意を求められた父母は生きる可能性があればと、病名をかくして、亜里に話した。涙もこぼさずうけ入れる亜里は、その腕にマニキュアをし、指輪をはめてみた。『学校へなんか戻らない。テニスも出来ないし、勉強なんかしたくない』と手術後の回復訓練も、友人の見舞いも拒絶する亜里。だが、そんな亜里も、生命をまもるためにつくす病院に働く人々の姿に次第に心を開く。『ケースワーカーなら片腕がなくてもできる』と生きる目標をつかんだ亜里は、今までの遅れを取り戻そうと勉強、機能訓練に猛然といどむ。あちこちの病室で彼女の明るい笑い声が聞こえた。だが、医師は両親に『ガンが転移し、治療法はワクチンだけ、それが効かない時は来春まで……』とつげるのだった。ケースワーカーになるには、どうしても大学へ行かねばと、永和高校を志望したが、今の偏差値では無理と言われた亜里。しかし、亜里の熱意に、教師は出来る限りの応援を送り、級友も彼女を励まし、ささえるのだった。努力はむくわれ、亜里は高校入試合格の喜びを手にしたが、亜里の残された僅かな生命も燃えつきようとしていた。...」(映画com)
いまから考えたら、ストーリーも単純だし、演出も平板と言えば平板で、ある意味で、良い子の映画なんだけど。だけど、ものすごく大きな選択と苦悩を追いかけている。そのもとでの両親の選択と主人公の生き様は、やっぱり心をゆさぶるものがある。良識的な映画人と、俳優とが、当時の思いをこめてつくった映画なんだと思う。そこで、問いかけようとしたことは、いまだに消えているわけではない。
主人公の彼女がめざした和光高校のHPには、いまはなき丸木先生の、彼女によせたことばがいまでも掲載されている。
翼は心につけて~翼の木~
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