NHK 新版 ―危機に立つ公共放送
松田さんが、前著を全面改訂して出した、岩波新書を大急ぎで読んだ。おもしろかった。総選挙での自民党によるテレビへの介入が注目されているが、そもそもこの間、安倍政権は、露骨にNHKへの介入をすすめてきた。ああ、安倍さんのこうしたメディアへの介入は、やはり、ETV2001の事件が一つの画期になっているのだろうなって感じてきた。それで、まず、この本を読んでみた。
なぜ、NHKは、政府の介入に屈したのか。それを歴史的な経過をふり返りながら見る。そのそも独立委員会をもたない制度的、法的な問題点、そのうえで、予算を政権党の事前審査をうける形で、密室でのやりとりがおこなわれてきた。などなど、メディアをとりまく環境が多きく変容し、「改革」が叫ばれるなかで、どのようなことがおこなわれてきたのか。政府サイドの「改革」がすすめるなかでの、市民の側の対抗。そこにNHKの未来、公共性の復活の展望を見る。
なにより松田さんは、85歳。いっしょに仕事をさせていただいたこともあるが、まだまだお元気だ。マスメディアのジャーナリズムとしての再生への強い著者の思いが伝わってくるのである。
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