集団的自衛権行使容認とその先にあるもの
『法学セミナー』の1月号で、骨太の特集。「7・1閣議決定とその先にあるもの ――安倍路線のゆくえ」森 英樹、「閣議決定の内容と手法」浦田一郎、「『日米防衛協力のための指針』(ガイドライン)の再改定と『憲法の規範的規制力』」倉持孝司、「軍事法制の展開と憲法9条2項の現在的意義」本秀紀。長谷川門下生が並ぶ。『法律時評』は立憲主義派が中心になった観もあるので、セミナーでこんな特集がなされるのかなあ。
森先生の、森節に膝を打ち、浦田先生の論文は、すでに一度このブログでふれたかな。浦田さんの議論は、これを読むと、いままで書いていたものがよくわかったりした。倉持さんと本さんのものは、この間のこの問題の議論では、あまり憲法の研究書では論じられていない視点でもある。倉持さんのものは、日米同盟の視点から、そして、本さんのものは、9条とくに2項のそもそもの原点から、対立軸が集団的自衛権VS個別的自衛権ではなく、9条2項VSその破壊にあるということを明らかにし、そこ根底には積み重ねられてきた解釈改憲があることを喝破する。こういう議論はやっぱり必要だと思う。ぜひ、こういう角度からの議論も、活発になされてほしいと思う。
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