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2014/12/25

日本の世論2014:毎日新聞・埼玉大共同調査

 毎日新聞に、ちょっと興味深い世論調査がのっていた。

日本の世論2014:毎日新聞・埼玉大共同調査(その1) つながりに回帰(毎日新聞)

 毎日新聞と埼玉大学社会調査研究センターは世論調査「日本の世論2014」を実施し、社会のありさまを探った。「近所づきあいをしている」人は6割を超し、「親の面倒は子の務め」と考える人は5割近くで、コミュニティーや家族を重視する意識が浮かび上がった。前年より増した将来への不安が、身近なつながりを求めさせているようだ。経済的に貧困だと人間関係も希薄という格差社会の一面も明らかになった。
◇「近所づきあいする」65%
 「10年後の日本は今より住みやすい国になっていると思いますか」と前年調査に続き聞いたところ、「思わない」は5ポイント増えて67%だった。「思わない」は30代75%、60代71%、50代70%の順。不安に思うことで前年より増えたのは、「治安」29%(前年比8ポイント増)▽「自然災害」45%(同7ポイント増)▽「巨大地震」47%(同3ポイント増)▽「年金」85%(同2ポイント増)▽「憲法改正」24%(同2ポイント増)などだった。「原発・エネルギー」は41%で前年より13ポイント下がった。
 一方、「近所づきあいをしていますか」と聞くと、65%が「している」と回答。年代別の最多は70代の83%。年配者ほど近所づきあいをしており、持ち家に住んでいる人や子どもがいる人も「近所づきあい」の割合は高かった。近所づきあいをしている人の70%が今の生活に満足していたが、していない人は56%にとどまった。
 「近所づきあいのある安心感と、他人と関わらない気楽さのどちらを選びますか」と尋ねると、すべての年代で「安心感」が「気楽さ」を上回った。
 また、「老いた親の面倒を見るのは子どもの務めだと思いますか」との質問には、46%が「務めだ」と回答。30代では最多の61%、20代と40代も5割に上り、将来の介護の担い手が責任を強く感じていた。
 共同で調査した埼玉大社会調査研究センター長の松本正生教授は「日本の将来に対する不安が増大する中、ともかく身近な家族やコミュニティーにすがろうとしているのではないか」と分析する。
 また、男性同士、女性同士が結婚する「同性婚」は賛成26%、反対39%。日本に長期間住んで働く外国人を多数受け入れる「移民政策」は賛成28%、反対33%と、反対の方が多かった。「家族やコミュニティーを重視しながらも、異なる価値観や文化を認めない排他的な側面もある」(松本教授)
◇格差、人間関係濃淡にも
 あなたは上流、中流、下流? 「上」「中の上」、「中の下」「下の上」「下の下」の五つの層の中で自分がどこに属すると思うか選んでもらうと、「中の上」と「中の下」を足した「中流」が6割だった一方、「下の上」と「下の下」を足した「下流」も3割になった。世帯年収でみると、「300万円未満」の人の45%、「300万円以上、600万円未満」の人の27%が「下流」に属すると思っていた。
 20代の36%が自分を「下流」と思い、最も多かった。次いで70代の35%。若年層と高齢層に自分が貧困だと思う人が多い。
 自分を「下流」と思う人で「近所づきあいをしている」と答えた人は61%。「上流」、「中流」の人はそれぞれ67%だった。「近所づきあいのある安心感と、他人と関わらない気楽さのどちらを選びますか」との質問に、「上流」の56%、「中流」の46%が「安心感」を選んだ。「下流」の人は36%に過ぎない。
 「親の面倒を見るのは子どもの務め」と思う人は「上流」で61%、「中流」50%だが、「下流」は44%。経済的に苦しいと、身近な人間関係や家族とのつながりを深めようという意識が薄いようだ。…


 これが、その質問と回答。

 格差の広がりが、人間関係そのものに影響していること、しかも、自信を中の下ないし、下の上ととらえていることなど注目される。千葉大の広井さんがコメントをよせている。「貧困と人間関係の貧しさの相乗効果で社会的な孤立が進み、『下流』の人は社会から疎外されてしまう。社会的なつながりの薄さは犯罪とも大きな関わりがあり、調査で治安への不安が高まっているのもこのような格差が背景にあるからだ。
 将来不安が増しているのに、7割近くが今の生活に満足し、8割近くが幸福感を抱いている。肯定的に見れば、高度成長期のような上昇意識がなくなり、みんな現状に満足しているということだ。成熟した社会の意識構造としてはある意味で健全と言える。しかし、否定的に言えば、将来世代のことを考えず今が悪くなければいい、という傾向の表れだ。…」。うーん。

 一方で、憲法改正を不安に思っている人でも6割が学校の勉強以外で日本国憲法を読んだことがなかったという。「読んだことがない」は男性64%に対し女性は76%で、全体は7割。80歳以上の52%から年代が下がるにつれ割合は増え、20代は86%に達したという。
 憲法を読んだ機会もなく、戦争体験を聞く機会ももてない時代になっている。こういうことも、この世論のある意味での”揺れ”のようなものをつくる背景になっている。
◇日米安保「強化」8% 51%は現状維持派
◇村山談話「継承を」26%
◇対中韓、改善に悲観的
 世論の健全さと、そのある意味での”揺れ”を克服していくには、社会認識を深化し、共有していくような対話、その前提として、しっかりした情報の発信が必要なのだということも考えさせられる。

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