通史の方法: 岩波シリーズ日本近現代史批判
以前買って、ぱらぱらっと読んでいた本を、今度、じっくり読んで見た。いろいろな経過があって(そのことははじめにに書いてある)、岩波新書の批判の本であるけど、批判が中心であるのではなく、むしろ、著者の近現代通史の考え方を示すものでもあった。その基本は、世界史に組み込まれた日本が、国際社会の変化のなかで、近代国家をどのように形成し、その道を歩んだかという大きな視点で語られる。軍事力強化に傾斜した国際社会への対応が、やがて、近代日本の国家の特質を形成していく。世界が、分割を完了し、再編の帝国主義段階へと向かう過程がダイナミックに描かれる。さすがに、戦後第一世代の歴史家の記述は、大きい視野だし、それが日本の戦争の特質と、戦後の転換と、戦後社会のありように続いていく。刺激になったし、いろいろな示唆を得た一冊。
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