暴力と差別としての米軍基地 沖縄と植民地ー基地形成史の共通性
なんやかんやいいながら、長いつきあいとなったし、いろいろ仕事をいっしょにさせていただいている林さんの新著。林さんらしく、するどく突っ込んでいるし、実証研究を旨とする林さんらしい労作。
言いたいことははっきりしている、アメリカの基地における植民地主義を、とくに住民の強制移住ということに焦点をあわせて跡づける。プエルトリコ、グアンタナモ、マーシャル諸島、ディエゴガルシアなどの実例は、そのもの沖縄の基地に連なる。
そのうえで、沖縄の基地の経緯を、これまであまり明らかにされてこなかった戦前戦後の時期に焦点をあてて、さぐる。アメリカの揺れや変遷がありながらも貫かれる核戦略。ここは知らないことも多く。
結局、植民地主義の基礎には、人種差別などもあり、なによりも人権を無視するということがそこにある。そして、それは残念ながら、いまにも続く問題でもある。それは沖縄でも、世界の各地でも。そして、その共犯者としての、日本政府。アイヌの問題にも言及があり、ハッとさせられる。
人権という普遍を基礎において、あいまいにしてはならない問題。そのことをしっかりと、向き合っていかなければならない問題として沖縄の問題がある。そのことは心して考えていたいと思う。
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