特別支援教育、足りぬ先生 自閉症・情緒障害で通学、急増 指導法知らず困惑
今日の朝日の記事。いろいろ考えさせられる。
特別支援教育、足りぬ先生 自閉症・情緒障害で通学、急増 指導法知らず困惑(朝日新聞)学校で障害のある子どもの特別支援教育を担える先生が不足している。専門の知識を備えた教員免許を持つ先生は、特別支援学校でも7割しかいない。自閉症や情緒障害など支援が必要な子の急増に、教員の養成が追いついていない。
中部地方の中学校で働く50代の女性教諭は4月、初めて特別支援学級の担任を任された。通常学級の担任経験しかなく、特別支援教育の指導法を学んだことはない。「いきなり担任なんてできない」と戸惑った。
受け持ったのは、発達障害の子が5、6人通う学級だった。「教科書にペンで線を引こうね」と声をかけると、「うーん」「いや」という反応。係決めで嫌がる子に「応援するからやってみよう」と言ったら、親に「子どもの主張を認めて」と怒られた。どうしていいかわからず、眠れなくなった。ストレスで春から学校を休んでいる。
理解不足が体罰につながることもある。愛知県の小学校では昨年、支援学級の担任教諭が自閉症の男児の手首をひもで縛った。2010年には奈良市の小学校で、支援学級の担任が発達障害の男児に暴行した。いずれも支援学校の免許を持っていなかった。奈良市教育委員会が設置した第三者委員会は「支援学級の教員は、支援学校免許の取得に努めるべきだ」と指摘した。…
特別支援学級に通う子どもは昨年度、約17万5千人で10年前から倍増したそうだ。特別支援学校生も約13万2千人で4割増。「通級指導」の子も約7万8千人と2・3倍に増えたという。その背景はいろいろあるだろうが、障害という問題が、ひろく認知されるようになり、そのニーズが高まっているのは間違いない。
支援学校で教えるには特別支援学校の教員免許が必要。だけれど、「小中高校などの免許があれば当分の間、支援学校免許がなくてもよい」とされている。昨年度の支援学校の免許の保有率は支援学校で71・5%だという。免許を持つ定めがない支援学級にいたっては30・5%。文科省は、教員が支援学校の免許を取得できる認定講習を大学に委託したりしているが追いつかない。
そもそも、障害は多様で、盲、ろうのほか、肢体不自由、知的、病弱などの種別がある、いまは発達障害という分野もある。その1つ1つをもっても、多様な障害が存在する。実は、障害児教育の専門家をつくることはとてもたいへんな仕事で、その教員の教員そのものも、不足しているというか、いろいろな問題がある。文科省がいろいろ締め付けなどもしているようだけど、どうもそれが正解とも思えない。能力や実績のある人はたくさんいるのだから、その資源を十分にいかせるように、もっと条件整備に力をつくしたらと思うけど、それはしないんだよなあ。
記事は、荒川さん、土方さんが大活躍でした。
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