ラディカリズムの条件――窮迫する時代を見据えて
週末、何年かぶりに唯研の大会を聞きに行った。東京農工ってもしかしたら初めてかも。府中刑務所の脇をとおり会場に。
聞きに行ったのは、表題のシンポジウム。若い2人の女性がメーンだな。
詳しくは、そのうち唯研のホームページにレジュメも掲載されるだろうし、すでに発言要旨が掲載されているので、そちらをみていただくとして、でもなかなか刺激的。森千香子さんが、まず、「「幻滅の未来」における可能なラディカリズムとは何か」と題した報告。欧州における極右の台頭の状況を、その背景や実態から分析。かなりフランスに傾斜した報告だということがもちろん前提だけど、その実態の多様さとともに、共通点などのたちいった分析はなかなか聞かせるものだった。多様化のということをしっかりおさえるとともに、同時に、ポピュリズム的傾向とそこにある反EUだとか、ムスリムをスケープゴート化する動向などはしっかりみないといけない。言説にある普遍的な傾向と、その背景にあるものとして指摘された、社会不安と同時に、脱政治化ということへの注目は大いに刺激された。
もう1人の、中谷いずみさんは、「「ラディカル」な運動の戦略/受容――主体表象と承認の政治――」と、題して、文化的な表象にあらわれたヘイトスピーチなどをめぐる言説を分析。その特徴とともに、限界などの指摘は、ものすごいセンスの良さを感じさせてくれる。
そういう報告をうけてベテランの石井先生が、ラディカルということをキーワードにしながら、思想的な議論を整理してたどってくれるというもの。
言ってみれば、マルクス主義とはちょっと違うお二人が、非常にラディカルな立場から、問題を設定して、ラディカルという言葉の再生を探るとでも言えばいいのか。中谷さんの報告など、ボクらのような政治・経済構造の分析とからますとどういうことが言えるのかなあなどと、いろいろ考えたりもしてみる。
早朝仕事スタートだったので、ちょっと辛かったけど、なかなか刺激的でおもしろかった。というか、ひきとって考えたいことが多かったという感じかなあ。勉強しなきゃって感じ。もちろん、いろいろ言いたいこともあるんだけどね。
個人的にはいろいろしんどいことの続く、週末から週明け。いろいろあるのが人生だわ。
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