大学入試の新共通テスト、英語にTOEFL活用も 中教審答申案
うーん。何でこんな結論が導き出されるのか。
大学入試の新共通テスト、英語にTOEFL活用も 中教審答申案(日経新聞)中央教育審議会(中教審)は24日、大学入試改革の答申案を示した。大学入試センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は複数回実施。英語は「読む・聞く・書く・話す」という4技能を評価する方針を明らかにし、TOEFLなど外部の資格検定試験の活用も検討する。
文部科学省は年内にもまとまる答申を受け、2021年度入試からの新共通テスト導入に向けて制度設計を進める。
現行の大学入試の英語は「読む・聞く」の2技能に偏っており、日本人が英語を習得できない要因の一つとする指摘は多い。中教審は今回の答申案で学力評価テストの英語について「『書く』『話す』も含めた英語力をバランスよく評価する」という考えを初めて明示。評価方法として記述式問題や面接などを例示し、外部試験の活用も検討課題に含めた。
文科省は近く、TOEFLや実用英語技能検定(英検)など各試験の主催団体や高校・大学関係者などによる協議会を設置し、各試験の出題傾向や評価基準などを検証する。検証結果を踏まえ、国が独自に学力評価テストの英語の問題を作成するか、外部試験に委ねるかを判断する。
英語以外の教科では、思考力や判断力をはかるため、複数の教科・科目にまたがって出題する「合教科・科目型」や教科の枠組みにとらわれない「総合型」の問題を採用する方針を改めて示した。文科省は今後まとまる中教審の答申を踏まえ、試験制度の専門家会議で出題形式をさらに検討し、16年度中に問題例を公表、17年度にプレテストを実施する。
2次試験を独自に行っている大学に対しては、受験生の主体性や多様性などを重視し、面接や小論文、集団討論などを通じた多面的な評価に転換するよう提言した。
一方、学力評価テストとは別に、基礎学力の定着をはかるため高校2、3年次に主要6教科について年2回程度行う「高校基礎学力テスト(仮称)」を新設するとした。同テストは生徒が自分の学力を把握したり、大学が入学者選抜時に参考としたりする活用法を想定している。
これがその答申案。
ポイントは
○センター試験を廃止し「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を2021年度入試から導入
○思考力を重視し教科の枠組みを超えた問題を出題
○英語は4技能をバランスよく評価し、外部試験の活用も検討
○各大学の個別試験は小論文や面接、集団討論などで多面的に評価する
○高校生の基礎学力をみる「高校基礎学力テスト(仮称)」を新設する
なそうな。
だけど、何をどう読んでもまやかしだらけ。
たしかに、高大接続をめぐって、その段階での、「学力」の到達をめぐって、課題があるのは否定のできない事実。高校教育が圧倒的な人がへるだけに、そして大学教育がユニバーサル化し、そういう環境のもとで、若者たちが社会に出ていくことを考えれば、どういう「学力」が社会に出ていくうえで必要なのか、そのために大学に入学するためにどんな「学力」が必要なのか。だけど、そういうために、若者たちにどういう「学力」形成をするのかという視点が「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」がまったくない。そもそも、ここでいう評価は、「学力」を差別化し、ふるいおとす評価であり、選別の論理だ。そもそも、そういう選別で競争を激化してきた、現制度へのきちんとした分析が前提とされていない。多面的評価なども、競争を恣意化するだけではないのか。海外の評価にかかわる議論をどれだけ学んでいるのか。
しかも、高校段階の基礎学力テスト。基礎学力の定着をみるのなら、なぜ抽出ではいけないのか。
競争にからめとろうとするテスト。
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