みぬまのチカラ~ねがいと困難を宝に~
正直、読むとその実践のすごさにある意味で、うちのめされる。ああ、ボクには絶対にこんなことはできないなあ。こんなにすばらしい人間ではないなあ。こんな仲間をつくれていないなあ」、などなどと。だけど、冷静に考えると、この本で、ボクらが問われるのは、まさにボクらの生き方なんだと。
70年代、念願の養護学校の義務化がすすんだ。そして80年代にすすんだのが共同作業所づくり。そのなかで生まれたみぬま福祉会が30年を向かえた。この間、多くの共同作業所が30年を向かえている。そしてたくさんの発信がいまなされているし、そこから学ぶことはほんとに多い。うちの息子のところも来年かな。みぬまは、いうまでもなく工房集で有名。大田堯さんの映画でも出てきたところ。思いと表現が社会に発信され、つながっていく。
労働を大切にした実践、生活に寄り添い、そして人と人とのつながりを大事にする仲間作りの実践、人生を丸ごと包み込む実践、どんな困難をも発達のまなざして乗り越える実践、そして仲間を主体として位置づける実践。その豊かな実践のうらがわには、どんな障害をもっていても希望すればいつでも入れる社会福祉施設をつくろうという、人権意識と、発達保障という理念がある。この理念と実践が、相互にみぬまのとりくみを支え、困難を乗り越える力になったのだなあとつくづく思う。さらっと書いているけど、これほど、福祉制度そのものに困難がある社会だ。施設の維持そのものが、たたかいであり多くの困難をもつ。それを乗り越える力がここにはある。
ボクらも、その力を学ばなければならない。そこでボクらの生き方が問われていると、ほんとうにそう思う。
本訴のものは、平易な実践報告として編まれていて、小難しい理屈は書かれていない。だけど、そこに学ぶべきことがたくさん書かれている。ねがいと困難を宝にという副題があるけれど、ボクらの社会は、運動は、こうしたとりくみ・実践を宝として、学んで行かなければならないとそう思う。そこにこそ発達保障の思想の原点があるのだし。いやあ、すごい本です。
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