白杖につまずき腹いせ? 全盲女生徒、蹴られけが
うーん。考えてこんでしまうなあ。
白杖につまずき腹いせ? 全盲女生徒、蹴られけが(東京新聞)埼玉県立盲学校塙保己一(はなわほきいち)学園(川越市)に通う高等部専攻科の全盲の女子生徒が、通学途中にJR川越駅改札前コンコースで何者かに脚を蹴られる被害に遭った、と学園に申告していたことが分かった。生徒は三週間のけがを負っており、県警川越署に相談。近く被害届を提出する。
生徒によると、八日午前七時五十分ごろ、改札口を出てスクールバスに乗るため、コンコースの点字ブロックの上を歩いていた際、誰かが生徒の持った白杖(はくじょう)につまずいて転ぶ気配を感じた。十メートルほど歩いたところで、右脚ひざの裏側を強く蹴られたという。蹴った相手は無言で性別不明。
激しい痛みを感じたが、倒れるようなことはなく、騒ぎにならなかった。ただ生徒は、目撃していたと思われる男性が、蹴った相手に「あんた、何やってんだ」と強い口調で注意する声を聞いた。白杖につまずいた腹いせに、何者かが生徒を蹴ったとみられる。
生徒は八日夕、帰宅途中に交番に寄って被害を伝えた。帰宅後に病院で治療を受け、九日朝、学園で担任教諭に報告した。学園の荒井宏昌校長(56)は「全盲の生徒に暴力を振るうのは許されない行為だ」と憤る。学園は十日朝のホームルームで生徒の被害を児童・生徒に伝え、怖い目に遭ったら大声を出したり、助けを呼ぶよう指導する。
九日夜、本紙の取材に応じた女子生徒は「怖くて、八日は学校に言えなかったが、後輩が同じ目に遭う可能性があると思うと、このままではいけないと思った。これまでも『じゃまだ』と言われることはあったが、暴力を受けるとは」と振り返った。…
たしかに、近年、ずいぶんバリアフリーはすすんだと思うけど、たとえば車いすの人といっしょに、行動してみると、実際には、この国では、なかなかたいへんな思いをせざるをえないということを痛感する。移動するのにさえ、さまざまな障害があるのだ。しかも、この事件の場合は命と体の安全に関わるし、実際、そういうケースが多い。しかし、そういうことってなかなか共有されていない。というか、共有する機会そのものがなかなか存在しない。
だけどなあ、そもそも、十分な条件がないなかで、時間に追い立てられる人のことを考えると、イラッとする気持ちは理解できる。もちろん、こういう行為は断じて許されないけれど。
もちろん、そのことが前提で、曖昧にすべきではないのだけど、やっぱりすすめたいのは、十分な条件整備。そのための認識の共有。だからこそ、対立から、どう連帯できるのかということが、社会のあり方としては問われるような問題。
もちろん、その出発点は、障害のある当事者の声をどう聴くのかということなんだろうと思うのだけど。そのことを通して、いろんなことが広がればいいのだけれど。
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