みんなの学校
関西テレビのドキュメント。2013年度(第68回)文化庁芸術祭賞のテレビ・ドキュメンタリー部門の大賞を受賞。
40年以上教師を続ける木村泰子さんが校長を務める大阪市立南住吉大空小学校が大事にしているのは、みんなが学校に通い続ける「不登校ゼロ」です。すべての子どもに居場所があることを目指し、開校から6年間、児童と教職員だけでなく保護者や地域の人も加わって学校を作り上げてきました。そんな「誰もが通える」大空小学校には、特別支援教育の対象となる子どもたちも多く通い、みんな同じ教室で学びます。お互いの違いを理解し、お互いを尊重しあえるような子どもたちを育てる大空小学校の1年間を追うことで、あるべき公教育の姿や子どもたちのために親や地域の人は何をすべきなのかを考え、いまの日本で進められる教育改革の方向を見つめ直しました。
もちろん障害ある子どもの教育のあり方からすれば、いろいろ議論はしたい。特に発達障害ある子どもにとっては、音に過敏な問題も含め、ほんとうに、こうしたありようだけでいいのか、それで発達を保障しきれるのかということはある。さまざまな発達保障のあり方はあるべきだと。
だけど、どんな子どもでも絶対に受け入れる。そういう信念は見事なものだ。大阪には、こういう教師がいるんだよなあ。だからこそ、子どもと教師の信頼関係がはぐくまれ、子どもは育つ。親が変わる。教師も育つ。学校とは、教育とは何かを考えさせられる。映画「学校」を彷彿させる。根底にあるのは、子どもへの信頼をベースとした子ども観。それがあってこその厳しさと緊張感も愛情もあふれている。
だけど、それでもこの木村校長がいなくなればどうなるのか。そのことも含め、いろいろ考えさせられる。そういう見事なドキュメント。
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