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2014/07/23

予算10兆円増、大学無償化 下村文科相が構想発表

 うーん。この下村さんの発言には、どう反応すればいいのやら。だけど、前提として、教育再生は、大がかりな教育システムの改変をめざしていて、すで、それはすすんでいるというのは事実であるのだけど。

予算10兆円増、大学無償化 下村文科相が構想発表(朝日新聞)

 2030年までに公的教育予算を10兆円増やし、高等教育も無償化――。下村博文文部科学相が近著で、そんな構想を発表した。教育予算を他の先進国並みにする「教育立国」を唱えている。思い描く未来の日本のすがたはどんなものか。財源はどうするのか。
■「GDP108兆円増」試算
 「教育立国のグランドデザイン」。16年後までの予算構想を、下村氏は6月に出した自身の半生記「9歳で突然父を亡くし新聞配達少年から文科大臣に」(海竜社)でそう銘打った。
 メニューは、政府の教育再生実行会議が今月3日に提言した幼児教育の無償化(8千億円)や、大学進学率7割程度を目指す大学の質・量の充実(7千億円)など。最終的には、大学などを含む全ての高等教育の無償化(3兆8千億円)も一例として示した。「大幅な変動があり得る」としている。
 新たに確保を目指す予算額は20年までに5兆円、30年までにさらに5兆円の計10兆円。現在の文科省の単年度予算(約5兆円)のほぼ2倍にあたる。
 下村氏がこだわったのは、投資に見合うだけの効果を示すことだ。昨年11月~今年3月、省幹部全員を集めた勉強会を9回開き、経済学者などの専門家を呼んで検討。教育費の家計負担が軽くなることでもたらされる利益をはじいた。
 その結果、教育費負担を理由に子どもをもうけることを断念しなくなって出生率が5%程度上昇し、年9万人が新たに大学に進学すると予想。これらによって現在490兆円ほどの国内総生産(GDP)が60年後には108兆円増加して税収が21兆円増えると試算した。
 著書で下村氏は「教育投資を増やして大卒者を増やすことは、本人にも社会にもメリットが大きい」と述べている。…

 高等教育の無償化や充実は異論がない。ほんとうにできるものならやってほしい。応援する。それに、教育政策が多角的に充実することはのぞましい。
 だけど、中身もふくめて問われる。英典さんが言うように「ただ一方で、合理性のある計画になっているかも重要だ。少子化の解消には、子育てしやすい雇用システムや団塊世代の社会参加意識の醸成など教育以外の要素も大きい。教育費だけで10兆円分を増やすのはバランスを欠くし、そもそも不可能に見える。国民に「できっこない」と思われれば教育投資への機運もしぼみ、絵に描いた餅に終わりかねない。現実的なプランを早い段階で提示する必要がある」というは事実だと思う。
 それよりも、なによりも、高等教育費も含め、なかなか国民的な合意ができていないのは事実。国民のあいだで、なぜ教育予算の支出が必要であり、無償化が必要なのかの説得的な説明と議論こそが必要なのが、現在のところだと思う。こんなぶち上げでは、とうてい、財務省を説得できない。となると、大きな教育再生の名による「改革」だけがすすんでいってしまうではないか。などなど思うところ。

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コメント

高等教育無償化なんてとんでもないですね。
無料ならとりあえず進学する人が激増するでしょう。
レベルの低下が今よりさらに酷くなります。

逆に、大学の数を減らす方が就職状況も改善するし、財政負担も軽くなるので、メリットがあります。

http://blogos.com/article/9519/
>図のように各国を比較すると、教育投資(縦軸)と成長率(横軸)にはまったく相関がありません。教育(特に大学教育)は生産人口を浪費して、成長率を下げている可能性があるのです。

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