「九条守れ」の句「今後も掲載しない」 さいたま市、住民らに回答
こういう文化的なところにまで、政府の見解の広報に追随し、それに反対する意見を封殺する、そういうことが公共的な場でまでおこなわれる。政府の言論が時代を支配することにつながる。そして言論は委縮しかねない。これはそうとう深刻な事態とも言える
「九条守れ」の句「今後も掲載しない」 さいたま市、住民らに回答(東京新聞)集団的自衛権の行使容認に反対するデモを詠んだ市民の俳句を、さいたま市大宮区の三橋(みはし)公民館が毎月発行する「公民館だより」への掲載を拒否した問題で、同市生涯学習総合センターは八日、今後の掲載を要望した市民らに対し「今後も掲載しない」との回答を伝えた。要望した同市中央区の団体役員武内暁さん(66)らは、あらためて掲載を求める方針だ。
武内さんらは七日に同センターを訪れた際、「『公民館ではなく俳句教室が選んだ俳句』と明記して掲載すればよい」と提案していた。しかし、同センターの担当者は本紙の取材に「注釈を載せても、公民館が政治的に中立ではないと誤解される恐れがあると判断した」と説明した。
掲載を拒否されたのは、「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句。三橋公民館で開かれている俳句教室の会員の女性(73)が詠んだ。公民館だよりには教室で選ばれた一句が毎月掲載されており、この句は七月号に掲載される予定だった。女性は、「市民の方々も異議を唱えてくださったのに、判断が覆らなかったことに驚いている」と声を落とした。
北海道では、陸上自衛隊駐屯地で計画されていた「自衛隊の国際貢献」をテーマにした講演や装備品展示見学など事実上の「体験入隊メニュー」ともとれる高校社会科教師を対象にした研究会が父母、教師らの反対で中止となっている。この言論の状況への異議申し立ては、やめてはならないことを痛感させられる。
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