哲学する〈父〉たちの語らい ダウン症・自閉症の〈娘〉との暮らし
凄い本を読んだという印象。個人的には、ボクの相方は、障害児教育を生業にしているわけだし、長男は施設のスタッフとして働く(この本の著者の思いに反して、ボクは障害という表記を使うのであしからず)。そもそも、近い人たちに障害者もいるし、自分の子どものある種の「課題」に即してもいろいろ考える毎日である。尊敬する哲学者たちが、ほんとうに赤裸々に語る。片や重度障害で、片や自閉症。障害のある(あるという表現も、著者の思いとは少しちがう)子と暮らす日々を語るその中身は、ほんとうにまるごどの葛藤が赤裸々だ。ゴツゴツした葛藤は、たとえば竹内さんのそれは、ともすれば刺々しさも発するほどだ。なぜ、ここまでと。もしボクが、障害児学校の教員や施設のスタッフで、こんな親御さんがいたらたいへんだろうなあって思うほど。だけど、そこからの思索の展開、そのゴツゴツさのわけは、あとがきで明らかにされる。それほどまでに、ちょっと凄まじいんだよなあ。そういうことも含め、いまの課題、考えるべきことが問いかけられる。竹内さんは「能力の共同性」ということを問いかけ、ボクもいろいろこの点は考えさせられてたけど。
個人的な体験や世界や思いと、社会のそれと。そのことをトータルにつなぐものは何かと。まだまだ、なかなか整理しきれないほど、大きな問題。だけど、それはいまの生きづらい、新自由主義の時代の生きるべき方向も問いかけるということだろうなあ。いやはや、勉強だな。相方は、この本をどう読むだろうか。きっと、こんなこと、あたりまえじゃんって言われそうだなあ。
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