親に隠された私 戸籍なく17年 字が書けず、やりたいこと「ない」
今日の朝日の衝撃的というか、そもそも、こうした問題はすでに意識されていたけど、なかなか光をあてきれずにいた問題。中塚記者、渾身の記事だと思う。
親に隠された私 戸籍なく17年 字が書けず、やりたいこと「ない」(朝日新聞)生後、親に隠され戸籍がなく、学校に通えず、社会から存在を認知されないまま育った子どもたちが日本にいる。どこに、どれほどいるのか、誰も知らない。
あ い う え お
鉛筆を握りしめ、小学生の国語ノートのマス目をうめていく。兵庫県伊丹市の康子さん(22)は、ほとんど字が書けない。住所と名前をひらがなで書くのが精いっぱいだ。
17歳まで戸籍がなく、父(75)のもとで社会から隔離されてきた。ぬいぐるみや洋服めあてのリサイクルショップの買い物、氷川きよし出演の歌番組と散歩を楽しみに一日を過ごす。
取材で込み入った話になると「わからない」を繰り返した。「将来、やりたいことはある?」の問いには「ない」。父が口をはさんだ。「全て私の責任です。こんなに罪深いことはない」
康子さんは大阪・釜ケ崎で日雇い暮らしの父と、婚姻関係を持たない母(60)との間に生まれた。母は既婚者で、夫の暴力から逃げていたときに父と出会い康子さんを産んだが、出生届を出さなかった。出産後は父と同居したが子育てはせず、5年後に家を出た。
父は娘の存在を隠した。過去に窃盗や傷害の罪で5回服役していた。「前科者の娘とばれれば、学校に行ってもいじめられ、大人になっても結婚できないと思った」
学校に通っていれば小学生の年のころ、父は年金暮らしの異母兄を頼り、大阪市住吉区の古アパートに3人で暮らした。近所の人は康子さんの姿を認めていたが、気にとめなかった。向かいのアパートの男性は「女の子は平日も通学かばんを持っていなかった。へんだと思った。でもあいさつしないし、遊びに来ている子だと思った」と言う。
日中は父子ふたり公園で過ごした。毎日同じ公園だと不審に思われると、各所を転々とした。自宅近くで同年代の女児の母親に「何組ですか?」と話しかけられたときは「もう転校するから学校に行ってません」とごまかした。
康子さんが社会に“発見”される契機となったのは2007年。父の兄が家賃を滞納し、家を追い出された。父は釜ケ崎時代に知り合い、後に伊丹に移り住んだ女性(77)を頼り、女性の生活相談にのっていた久村真知子・伊丹市議(62)と出会った。…
この市議さんはいうまでもなく共産党の市議さん。それでも、現状の支援で何がどこまで解決するのか、とてつもなく悩ましい。
貧困化する経緯のありようも、貧困のありようも、そこでの困難も、時代とともに変化もしている。もちろん、その根底には経済的な困難がベースにあるにしても、そこからどう解決していくのかは、単純に直接的な現金支給だけではない。さまざまな支援の必要性。結局、この社会では、最も支援が必要な人が孤立無援となっていく。子どもの声なきSOSにどう反応できるのか。現在の貧困の様相とメカニズムを理解し、そこに即した支援の方向、制度整備を進めなければならないと思う。
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