集団的自衛権 教科書8社が記述の訂正検討
こんなふうに話が展開していくのかと、あらためて考え込む。
集団的自衛権 教科書8社が記述の訂正検討(NHKニュース)憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定が行われたことを受けて、中学校と高校の教科書で集団的自衛権について記述している11の出版社のうち8社が記述を見直す必要があるとして、文部科学省への訂正申請を検討していることが分かりました。
文部科学省によりますと、現在使われている教科書のうち中学校の「公民」で3社、高校は「現代社会」や「政治・経済」を発行している8社すべてが集団的自衛権について記述しています。
憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を受けて、NHKがこれら11社に対応を取材したところ、8社が来年度使われる教科書の記述を見直す必要があるとして文部科学省への訂正申請を検討していることが分かりました。
訂正申請は誤植や客観的な事実の変化があった場合、4年に一度行われる教科書検定を待たずに記述の修正を申し出ることができる制度です。
このうち、帝国書院は高校の「現代社会」の教科書で「日本政府の憲法解釈では集団的自衛権の行使は9条の趣旨に反するとしている」と記述していますが、著者と相談して訂正申請を検討するということです。
また清水書院は高校の「政治・経済」で「政府自身、従来から集団的自衛権の行使は違憲であるとの原則を示している」と書くなど4点で記述していますが、今後の国会での議論も見ながら記述を見直す必要があるとしています。
一方、他の3社は「著者や文部科学省と相談して見直しが必要か考える」としています。
各社によりますと、来年春の教科書の配付に間に合わせるには年内に訂正が認められることが必要だということで、戦後日本の安全保障政策が大きな転換点を迎えるなか、教育現場も対応を迫られようとしています。
勇気をもって、批判的に書く教科書はあるのだろうか。だけど、そもそも今年、教科書検定の基準を変えて、政府の見解を書くことももとめることにしているのだから。検定がなくとも、文科省の顔色を見て、いわば「自主的」書き換える教科書が生まれるのか。歪んだ形での政治介入の状態が広がるのだろうなあ。ほんとうに、教育内容をめぐっても、あまりにも道理のない状況になっていくなあ。
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