本当は学びたい ~貧困と向き合う学習支援の現場から~
昨日のETV特集をみた。
いま、子どもや若者の「貧困」が、学力格差や不登校、高校中退などを引き起こし、 「学び」に深刻な影響を及ぼしていることが分かってきています。
塾、携帯電話、インターネット・・・。現代では、「平均的な家庭」が、いろいろな物を手に入れられるようになりました。
しかし、経済的に苦しい家庭の子どもはどんどん取り残され、やがて挽回できないほどに、差が開いていきます。
この「差」に苦しめられる、いわゆる「相対的貧困」の子どもが今、増え続けています。
そんな中、元高校教師の青砥恭さん(65歳)は3年前、子どもや若者たちに、無料で「学び直しの場」を提供するため、NPO「さいたまユースサポートネット」を設立しました。
不登校、高校中退などのさまざまな理由で学校から去った子どもや若者に、ボランティアたちが勉強を教えます。
ここに集まる若者の半数以上が、貧困の家庭に育っています。勉強できる十分な環境が無く、学びの場からこぼれ落ちた子どもたち。生活のために日雇いの現場で働く学生、夜の仕事をする高校生・・・。
ここには、貧困の中、ますます学びの場から遠ざかっていく若者たちの姿がありました。
学ぶことを通して、「居場所」や人とのつながり、そして自信を取り戻してもらいたいと願う青砥さんの取り組みと、そこに集まる若者たちの思いを見つめました。
久しぶりの青砥さん。最近あってないけど、元気だなあ。励まされた。
生活保護の学習支援のアスポートから離れて、政府の補助をうけずに、制度からこぼれる若者を相手にとりくむところは、青砥さんの真骨頂だな。
若者の困難は、複合的。だからこそ、多角的な支援がないと解決しない。子どもの貧困対策も重要だが、同時に親の支援が必要だという。メディアは親の支援をとりあげないという人がいる。それはたしかにそうだ。だけど、子どもの学習支援は、まちがいない、現物支給の一つの形態であり、支援が世帯単位の政策枠組みのなかでは、子どもの学習支援は、まつがいなく親への支援でもある。そして、その支援の絶対量があまりにも貧困である。
この課題の重要性と、そして、その難しさ、考えさせてくれた。
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