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2014/05/14

韓国の大学授業料半減策に学ぶ

 読売新聞で中央大学の先生が韓国の大学授業料について書いている。

韓国の大学授業料半減策に学ぶ(読売新聞)     平山 令二/中央大学法学部教授 専門分野 ドイツ語・ドイツ文学

世界1の高授業料の国
 みなさんは世界で一番大学授業料の高い国をご存じだろうか。恐らく、アメリカという答えが多いと思う。実際、アメリカの有名大学では授業料は400万円を超えている。しかしながら、アメリカでも公立大学ではそれほど授業料は高くなく、また各種給付奨学金が整っていて、所得の低い家庭の学生には授業料減免措置が用意されている。実質的に世界1高学費の国は、韓国と日本である。いや、であった、と言うべきである。なぜなら、韓国では大学の高授業料を解消する政策が大胆に進んでいるからである。
朴槿恵政権下での授業料半減策
 きっかけは先の韓国大統領選挙であった。韓国では、経済格差や若者の高い失業率が大きな社会問題となり、加熱し過ぎた大学進学競争に批判の目が向けられるようになった。すなわち、ソウル大学を頂点とする有名大学を卒業しなければ一流企業に入れず、それどころか就職もままならないという現状を改革する必要が唱えられた。先の大統領選挙では、野党候補が大学授業料の半減を選挙公約とし、与党候補の朴槿恵氏も同様の公約で応じた。
 さて、ここからが日本と韓国の政治の違うところであるが、当選した朴大統領は授業料半減策を実行に移した。日本では、政党の選挙公約は往々にして破られ、国民もそれに慣れてしまっているところがある。しかし、日本同様に厳しい財政状況にある韓国では、朴大統領が大学授業料の半減化を実行に移したのである。…
授業料半減後の学生の変化
 さて、授業料半減後、韓国の学生は変化したのであろうか。韓国政府が授業料半減策を実施する以前、ソウル市立大学では、すでに2012年から授業料半減策が実施されていた。市民運動家の朴元淳氏がソウル市長に当選し、貧困対策に熱心だった同氏がソウル市立大学の授業料半減を選挙公約としていたからである。授業料半減後の同大学の学生の変化について、ある日本の教育学教授が調査したところ、顕著な変化が見られたという。すなわち、当然のことながら勉学時間はかなり増えたという。アルバイトに費やす時間が減ったせいである。また、ボランティア活動をする学生も増え、各種選挙の投票など社会への関心も増加したそうである。学生たちが、自分の勉学は社会に支えられている、という自覚を持つようになったからである。…

 うちの雑誌でも、大学評価学会の人たちが韓国に行って、調査と交流をすすめてきたことを書いてもらったことがある。『「無償教育の漸進的導入」と大学界改革』という本のなかで、神戸大学の渡部昭男さん(ボクの大学の研究室の先輩)が、ソウル私立大学の半減の結果を照会している。「学生の満足度が高く、自発的なボランティア活動が拡大し、学生の公共性への意識が高まるなど、肯定的な効果をもたらした」とそれが興味深い。

 日本がなすべきこともここにあるはずなのに。

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