4月28日の意味を考え辺野古への基地移設に反対する歴史学関係者の集会
昨年は、歴教協などがマスコミ関係の団体と集会をひらいたんだったっけ。講演者は山田朗さんだったなあ。今年は、歴史3団体での集会となった。世間から、正直、この日への関心が薄らいでしまったなかで、あえて深く考えようと言う重要な集会。
仕事で、参加が遅れてしまって、櫻澤誠さんの「沖縄戦後史のなかの四・二八」は聞けなかった。ちょっとどんな議論をするのか興味はあるのだけど。沖縄の問題は結構、難しいから。
続いて、鄭栄桓さんの「対日講和と植民地支配責任――在日朝鮮人史から問いなおす」。4・28を日本社会から排除された在日の視点で問い直すというもの。この視点は、いろいろハッとさせられる。いちばん大事な視点は、ほんとに戦争責任の問題の解決を抜きに、迎えた4・28だったということか。結構、刺激的。
吉田裕さんが、「国際社会の中で孤立する日本――慰安婦・靖国参拝問題を中心に」。これは基本、前衛でやったやつ(「戦後史のなかで安倍首相の靖国参拝を考える」)をあらためて報告にしたものだな。
最後は、山田朗さんの「改憲路線と『教育再生』」。山田さんらしい切り口。
質疑応答がおもしろかった。世論の右傾化、とくに若者のそれをどう考えるのかということが話題になる。この点での吉田さんや山田さんの応答が印象的。とくに吉田さんが、90年代とは違った様相になっていること。その点で、戦争体験をベースにした平和意識に依拠したものが薄れるなかで、若い世代に、戦争体験を継承していく上で、実証研究を研究者はすすめたが、どう伝えるのかを十分考慮してこなかったのではないかとの反省が印象的。しかも、かつての戦争のリアルということと、現在のそれは違う。いまの戦争PTSDの特徴にふれながら戦争をどう語るのかということを話されたのが、ちょっと刺激をうけた。なかなか、具体化できていないテーマ。何とかしなければいけないなあ。
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