調査報告 女性たちの貧困 ~"新たな連鎖"の衝撃~
正直、呆然としながらみた。いろいろな意味で衝撃。
10代20代の女性の間で深刻化する貧困の実態を描いた今年1月のクローズアップ現代「あしたが見えない」。放送後、番組サイトが異例のページビューを記録した。通常8千程度のページビューが、60万を超えたのである。そして、寄せられたのは「他人事では決してない」という切実な声だった。いま、若い女性たちの間で何が広がっているのか。取材を進め見えてきたのは、親の世代の貧困が、子の世代へと引き継がれ、特に若い女性たちに重くのしかかるという“現実”だった。番組では、厳しい生活にあえぐ若い女性たちの知られざる実態のルポを通して、“新たな貧困”を見つめていく。
ネットカフェ難民という言葉が生まれたのはいまから6年ほど前だろうか。まず、貧困の様相が、ほんとうにこの数年で大きく変わっているというのが、まず実感させられる。もちろん、その背景には、雇用がいっそう不安定化し、非正規の圧倒的な増大がある。学費や奨学金の問題がそれにのしかかる。だけど、なぜ女性なのか。そしてそれはどういう構造の中で生まれているのか。そして、何より、怒りはどこにいったのだろうか。その告発はあまりにも、淡々としている。
おい、これは生活保護だろう。人間として生きる権利があるだろう。それになかなか踏み出せないなら、いっしょにその方策を考えるんだろう。そんな思いが番組からは伝わってこない。苦しみに、ともにあるだけでは、その要因を容認することにはならないのか。あってはならないのが貧困というものだ。そのあってはならないものをどうするのかがジャーナリズムの使命だ。貧困を可視化するということはどういうことなのか。貧困のとりあげかたというか、認識のありようが全然ちがってしまっている。それがこの6年間の到達なのか。だめだ、これじゃだめだ。ボクは、ぜったいにこういう姿勢であってはならない。困難と諦めだけが重くのしかかる…。あまりにも、あまりにもだ。
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