「法の番人」内閣法制局の矜持
話題の阪田さんの本を読んだ。
まあ、いまさら阪田さんの人生など知りたくもないなどとも読み始めに思ったけど(笑い)、だけど、内閣法制局というところがどのような仕事をしているのかはよくわかるようになっている。
さて、9条をめぐる内閣法制局の仕事だけれども、90年代以降の海外派兵などの動きをふり返る。そもそも、内閣の9条解釈はいたってシンプルなもの。武力行使は、個別的自衛権の3要件による発動にかぎられる。だから海外でも武力行使は、個別的自衛権による近海などでのケースをのぞいてはおこなえない。そのうえにたって、何ができるのかということでおこなわれてきたことになる。だけど、正直、この20年間の歩みはものすごく無理のあることをしてきたとしか読んでいて思えない。
つまり、法制局の仕事は緻密だとは思えない。だけど、そのシンプルな論理のうえでの、一体性、体系性というものは維持されている。それが、大きな歯止めになってきたこともよくわかる。
法制局の仕事やここでいわれている立憲主義というものをどうとらえるのかは結構むずかしい。内閣がかわっても憲法解釈がそれで変わるわけには行かないというような言い方がされるが、ボクの立場から言っても、法制局の憲法解釈は、正しいとは思えないないものが多いし、中にはすぐに解決すべき意見の法律も存在する、だからわれわれが政権をとれば、変えなければならない憲法解釈も存在するにちがいないないだろうし。だから、やはり問題は、解釈の中身こそが問題になるのだと思う。形式ではない、内容ということなのだろうな。
9条の場合は、政府の解釈がもつ、歯止めというところに注目をするということをよく考えなければいけないということなんだと思う。そのことと一体に、いわゆる立憲主義を考えるということかな。
そういうなかで共同というものも考える。阪田さんの本のなかからも、なんとなく平和指向というものが読みとれるのだけれど、そういう指向性みたいなものは大事なヒントになる感じがした次第だけどね。
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