「ネットでシッター」での男児死亡 母親を責める前に問うべきショートステイ、トワイライトステイの欠如
朝の番組では猪熊さん、夜は今日は駒崎さんが出て、いまの子育ての実態を必死で訴える。つらくって、涙が出る。悔しくて。それでも、母親を責めるというのだろうか。
水島さんが、次のような一文を書いていた。
「ネットでシッター」での男児死亡 母親を責める前に問うべきショートステイ、トワイライトステイの欠如(YAHOOニュース)インターネットを通じてベビーシッターの仕事を引き受けていた埼玉県富士見市に住む26歳の男、物袋勇治容疑者が逮捕された。
ベビーシッターに預けられていた2歳の男児についての死体遺棄容疑だ。この男児は見つかった時には裸同然で窒息死と見られている。2歳児と一緒に預けられていた8か月の弟も裸だった。母親のインタビューによると、以前もネットを通じてこの男に預けたことがあり、虐待のものとみられるあざなどが見つかっていたという。母親はこの物袋容疑者に預けないように避けていたというが、今回ネットでは偽名を使っていて、預けた時の相手も違う男だったという。
本人の確認もできない「シッター掲示板」での相手探し。
よくよく考えれば、子どもの命を預ける相手としてこれほど危険なことはない。なぜ母親はインターネットで子どもを預ける場所を探さねばならなかったのか?
この事件は今後の捜査で男児がなぜ死亡したか、物袋容疑者がどう関与していたのかいなかったのかなどが明らかになってくるはずだ。
テレビやネットでの報道や評論を見ていて気になることがある。
それは「インターネットでベビーシッター」という「新しい業態」にばかりマスコミの興味や問題意識が集中してしまっている点だ。
そのビジネスの危険性が強調され、「ネットによるベビシッター」あるいは「ベビシッター」というビジネスへの実態調査や規制をかければ良いというような論調が目立つ。
しかし、そもそもの問題として、なぜ、そうしたビジネスが増殖しているのか。
どこにそのニーズがあるのか、保育所がカバーできないのはなぜか、という検証こそが大事だと思う。
一番の問題は保育所が利用しにくいことだ。
以前から問題になっている膨大な数の待機児童もまだまだ解消されていない。
急に子どもを預かる場所が必要になった時に、気軽に、安く、受けていれる場所が少ない。
公的な支援で低所得者ならば安く利用できる保育所は申し込んでも「待ち」の状態。
しかも0歳から2歳未満の子どもの預ける保育所、夜間預けれる保育所はまだまだ少ない。
夜間も預かってくれる、となると、勢い、私的な、料金の高い保育所になってしまう。
それとて、いざ急に必要になった時にすぐに利用できるものではない。
そのことはきちんと報道されるべきで、問題の背景として理解しておく必要がある。…
水島さんは、「だけど、男児死亡事件が私たちに突きつけている問題は、母親の責任でも、ネットでもなく、「あるべき保育の欠如」ではないのか」と訴え、しんぐるまざーふぉーらむの声明も紹介している。
そもそも、なぜ安心して子育てをする環境が整備されないのか。ほんとに、悔しい。
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