大阪出直し選 橋下さん、乱暴すぎる
橋下さんの辞任→「出直し」選挙に対して、メディアもいっせいに批判の社説を掲げている。そらそうでしょう。
大阪出直し選 橋下さん、乱暴すぎる(東京新聞)橋下徹大阪市長が辞職と出直し選出馬を表明したのは、少々乱暴にすぎないか。停滞したままの大阪都構想への強い思いはよく分かる。しかし、突然の決断は果たして民意に沿うものなのか。
きっかけは、都構想の制度設計を話し合う法定協議会で、自らが提案した「区割り案の絞り込み」が見送られたことだった。
橋下氏は、統一地方選が予定される来年四月の大阪都移行を目指し、その是非を問うため、今年秋に住民投票を実施するスケジュールを描いていた。
区割り案絞り込みの提案は、議論を加速させる狙いだったが、先月三十一日の法定協では、協力関係にあったはずの公明党も「さまざまな角度からの議論を奪うことになる」などとして反対し、絞り込みは見送りになった。
都構想そのものが否定されたわけではない。だが、橋下氏は「スケジュールを引き延ばし、都構想のプロセスをつぶす策略」と他会派を批判し、一気に出直し市長選という賭けに出た。
大阪市を解体して特別区に再編し、府との二重行政を解消させるという大阪都構想は、橋下氏が府知事時代の二〇一〇年に提唱した看板政策である。
橋下氏は翌一一年、任期途中で府知事を辞職し、都構想を争点に据えて大阪市長とのダブル選を仕掛けた。くら替え出馬した橋下氏は、松井一郎現知事とコンビを組んで圧勝した。
そこで示された「民意」を背景に、橋下氏が都構想実現を急ぐ気持ちは分からぬでもない。しかし、慎重な議論を求める議会の勢力を敵に見立てて、出直し選挙で打ち負かすことが、果たして民意のよき反映になるのか。
……日本の地方自治は首長と議会の二元代表制である。両者の緊張関係、チェック・アンド・バランスの機能が住民の総意により近いという考えだ。
大阪の出直し選は、有権者が望んで出てきた話ではない。知恵と時間を使った歩み寄りを拒否する独り相撲のような出直し選は、首長としてどうだろう。
そもそも、「出直し」選挙をやったとしても、決して議会の構成がかわるわけではない。それをやるというのは、議会の存在そのものを否定しようと言うものなのか?
ほかにも
橋下氏の辞職―選挙が唯一の解決策か 朝日新聞
橋下氏辞職表明 唐突で乱暴な出直しだ 毎日新聞
大阪都構想/奇策で民意は得られない 神戸新聞
橋下市長辞職 選挙乱用にならないか 京都新聞
橋下大阪市長 選挙の乱用ではないか 北海道新聞
ほんとうにデタラメな市長選挙という暴挙。かつて、フランスで、ブーランジェ将軍という、選挙をくり返して、人民を煽る政治家がいた。19世紀最後の時期のことだけど。それを彷彿させる。だけど、その政治がいきついたのはクーデターによる議会の否定だった……。
これを契機に、橋下さんにご退場していただくことにしなければなりませんよねえ。
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