折れた矢
今年はなかなか映画を見に行くことができないでいる。ほんとは月2,3本は見たいなと密かに決意をしていたのに、1月は全然ダメだった。そこで、今日はこのDVDを見た。
主演は、ご存じアン・ソンギ。この映画も、トガニのように韓国で実際に起こった事件。「クロスボウ事件」をもとに描かれる法廷劇だ。大学入試問題の誤謬を指摘したことで、逆に大学側から解雇されてしまったキム教授は、不当解雇だとして大学を訴える。何度も続く裁判で負け続けたキムは、法に基づく裁判をおこなわない裁判長をクロスボウで脅すという暴挙に出て逮捕される。が、キム自身はクロスボウを撃っていないと主張。裁判では、検察側が提出する証拠の矛盾がうきぼりになる。しかし、司法省は、キムの行為を司法に対するテロだと決めつけ、有罪判決にすすんでいく。韓国の司法の暗部を告発した映画だ。
思いテーマ。告発される司法の実態もまた、酷く、醜い。
あくまでも原則をつらぬく主人公のアン・ソンギの演技はとてもコミカル。相手をつとめる、弁護士も、労働裁判で挫折をした、アル中。まわりを取り巻く人物はとても可愛い。物語の展開は、ほんとに涙が出るほど悔しい。どこまでも、矛盾を認めない裁判官。そかろやかでコミカルにたたかいを描く。
だけど、ラストにちかいところで、弁護士が怒りにまかせた行動をしようとしたとき、ユンボンギルは弁当爆弾だったけど、おれは水爆弾だって言うシーンがある。ユンボンギルは、上海での白川大将爆死事件で逮捕され、処刑された独立運動の闘志、義兵の一人だ。韓国の人の日本の植民地支配への思いがこういところにも出ていると痛感。
毎日、折れそうな心が、吹っ飛ぶようなぐらい元気がでたなあ! 面白かった。
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